就学相談シーズンを超えて~合わない学級を選ぶことの弊害。そして迷った末に支援学級を選んだ我が家~

にゃおんアニスピわおんそのほか

我が家は以前の記事で書いたように、就学相談の際に普通学級と支援学級で委員会の先生方の意見が割れた家庭です。

 

私もあっさりと支援学級に決められたわけではありません。

「支援学級だと勉強が遅れるんじゃないか」という不安

「普通学級でもやっていけるのではないか」という期待

何よりも「普通学級に行かせたい」という親としてのエゴがありました。

 

普通学級にこだわった私は、悪あがきのように高額な費用を払って「小学校準備コース」のようなものにも子を通わせています。小学校の教室を再現し、少人数(3人くらい)で疑似体験するというものでした。

 

その50分の授業の中で、息子は驚くほど、手を挙げ、回答し、係もこなして一時期は普通学級でも大丈夫だと思ったほどです。それでも我が家は就学委員会の先生たちが言った「健常児よりも一声多く必要」な部分がネックとなり、支援学級に行くことを決めました。

 

後々、実際の支援学級での授業の様子や支援学校や学級の先生方への取材を通じて、自分の判断が正しかったと分かりました。

 

まず、普通学級の人数は30人前後ですが、新入学の際には夏まではサポートのために先生がつく場合が多いです。だけど、夏以降は担任の先生一人になるケースがほどんどです(自治体により差があります)。我が家は保育園では運よく加配の先生がついていたのですが、小学校以降はまずつかないと言われました。

 

一声多く必要でも、その一声がかけられる余裕が担任の先生にはない。

 

そうなるとどうなるか。分からなければ分からないまま、普通学級で5時間目まで座って我慢しているという生活になります。大人が考えても、分からない状態でただ座っているのは苦痛ですよね。

 

そして、二次障害の問題。普通学級に適応できなくなり、うつになったり精神疾患を発症する子どももいます。不登校になる子どももいます。そこで私は普通学級でついていけなかったら、支援学級へ転籍すればいいと考えました。

 

だけど、これはのちに支援学級や支援学校の先生たちに取材をさせていただいて分かったのですが、その方法にも弊害があるのです。

 

ある支援学級のベテランの先生の話です。

 

「普通学級から支援学級に小学校3年生くらいで転籍した子は、必要にないものを身に着けてきます。それは、待てば誰かが何とかしてくれるという受け身の姿勢です。支援学級では、質問のタイミングや着替え、生活のルールなど、基本のきの部分から生活を作っていきますが、普通学級ではそんな余裕はありません。普通学級では、担任の先生は大人数を一人でみているのでついていけない子がいたら周囲や先生がとりあえずやってしまって、みんな同じペースでカリキュラムをこなすことになります。そうなると、黙って待っていれば、誰かがやってくれるという待ちの姿勢になってしまい、支援学級に転籍してきた子は支援学級の子が身に着けてることすら身に着けずにスタートすることになります。それは大きなデメリットです」

 

たしかにそれは大きなデメリットです。

 

子どもにとって3年間はとても長いし色々なことを吸収する時期です。その時期に待てば誰かがやってくれるとなれば、周囲の子は伸びるでしょうが、本人は伸びないですね。「だけど、毎年、エゴから、普通学級に行かせる親御さんは尽きません」というのが現場の先生の声です。

 

ですが、その言葉は普通学級に行かせていたらそうなっていただろうと息子が2年生に進級した今なら分かります。

まずは学校の勉強が遅れたかというと遅れませんでした。学校の勉強の遅れは、最悪、塾や家庭教師などをつけ、補おうと思っていましたが、息子にはその必要は今のところありません。

 

うちの子どもの学校の場合、1・2年生、3・4年生、5・6年生と2学年づつの合同授業なのですが、息子は1年生の頃から、2年生の教科書に興味を示し、勉強を進めて行きました。

 

だけど、発達凸凹というのは難しく、ひらがなの書き取りは泣いていやがって今でもしない。難しい漢字(3,4年生で習うような)でも興味を持ったものなら覚えるし書けるといった感じです。全てを同じようなペースで平均的にできるようにはなりませんでした。なので、普通学級に行けば、ひらがなの書き取りの時点でつまずいたでしょう。

 

支援学級にいる息子は個別支援計画に基づき、ひらがなの書き取りに関しては長期的なスパンで身に着ける課題としています。なので、学校で自分の名前を書けなかったとしても特に怒られることはありません。

 

そして、最近では、プログラミングに興味を持つ息子に先生からの提案で、パソコンで自分の名前をタイピングする練習をしています。タイピングは大の得意で、自分の名前を漢字に変換して入力します。

 

学校との定期的な話し合いで、今後、パソコンやタブレットを授業で導入する話も出ています。書き取りが苦手なのであれば、これからの時代、ローマ字変換ができれば、パソコンやタブレットで通用する。これは支援学級ならではの柔軟な考え方だと思います。

 

息子の不得意にきめ細やかに対応してくれていると思いますし、不適応を起こすことなく、今では1・2年生のリーダー役として伸び伸びと学校に通っています。

 

ただ支援学級・支援学校がどんなところかというのは自治体により大きな差があって、一概には言えない部分があると思います。だけど、親のエゴではなく、子どもに合った進路を選べるといいですね。子どもに合わない学級へ無理に進学することは、子どもにとってはもちろん不幸なことですが二次障害で一緒に苦しい思いをするのは親なのですから。

 

皆さんが最善の選択ができるよう願っています。

 

田口ゆう