ユーザーの声

東京都 グループホームわおん 町田ひろば

今回は「グループホームわおん 町田ひろば」を運営する、わんビート合同会社の石川さんにインタビューを行いました。30年勤めた会社を退職して、2020年5月、ご自身の地元でもある東京都町田市に記念すべき1棟目のグループホームを開設。その開設ストーリーに迫ります!
 
グループホーム概要

企業名/事業所 わんビート合同会社 / グループホームわおん 町田ひろば
エリア 東京都町田市
開設棟数 1棟
開設日 男性棟(東京都町田市)2020年5月
居室数 7室(1・2階)
対象障がい者 精神障がい者、知的障がい者

★グループホームわおん 町田ひろば

 

アニスピホールディングス、わおん・にゃおん事業について

●アニスピとの出会い

これまでは、建築業界で計画・設計する営業職として約30年間働いていました。その中にはグループホームの物件もありました。2018年の秋頃、父が所有していた土地で障がい者グループホーム用の新築物件の設計を2つ進めながら、完成したら運営してくれる事業者さんを探していました。

事業者さんを探す中わおんを見つけ、「ペットと一緒に暮らす」という理念が強く印象に残り、共感しました。まずは話を聞いてみようとセミナーに参加したのが、その後の大きな方向転換のきっかけになりました。

 

●参画を決めたポイント

実際にセミナーで藤田社長の話を聞き、他のグループホームとは違って面白そうと思ったんです。その場で自分の計画を話すと、「アニスピホールディングスの空き家を活用するコンセプトとは違うけどいいよ」と言ってもらいました。同時に私が運営することも提案されました。まさか自分が事業者になれるとは思っておらず、当初の計画とは違いましたが2019年の3月には参画を決めました。

新しい出会いや提案をスパッと拒否するのではなく、一回聞いて受け入れてみるというのは、これまでも心掛けてきました。その中でピピっと自分のアンテナが反応するものであれば、それに対して動いていく。藤田社長から運営を提案された時は、まさにこのアンテナが反応しましたね。

前の仕事は楽しくて仕方なかったのですが、同時に何年も前から定年までには新しく別のことを始めたいと考えていました。残りの人生の生き方を考えた時に、定年まで勤めあげてからの再スタートだと体力的にも難しいと感じていました。まだ体が動く50代のうちにチャレンジしたほうがいいと考え、参画を決意しました。

物件の土地を所有していた父親が、その土地に障がい者用のグループホームを建てることに賛同してくれたことも大きかったです。父の同意がなかったら、この計画は成り立ちませんでした。

 
 
障がい者グループホームの開設について

●開設の目的は?

これまで福祉の現場を外側から見てきて、自分なりに障がい者の方が地域や社会と共生する答えを探し続けていました。障がい者の方が100人くらいの単位で、電車もバスもない山奥でひっそりと隔離するように暮らすのは、昔の悪しき慣習だと思います。これからは日本でも、誰もが同じように暮らせる社会になるべきですよね。また、グループホームと就労施設の行き来だけの生活は、自宅と会社を往復していた私のサラリーマン時代と同じになってしまうので、それでは地域と「共生」していると思えませんでした。犬と近隣を散歩することで地域のコミュニティへの帰属意識も芽生えます。この犬を保護されているところから引き取ることで殺処分される命も救え、もう何重にもよい解決策だと共感しました。
 
●前職の経験が役立ったことは?

障がい者グループホームを開設するにあたり、近隣の方々の理解を得ることがとても重要だと実感していました。近隣の反対があって障がい者グループホームを作れなかった事例を何度も見てきました。「そんな施設を作ってもらっては困る」という反対運動が起きたこともあります。

過去に立ち会った説明会では、心無い発言も耳にしました。今回は自分が事業主として進めていくことになり、絶対に避けたいと思っていた点です。町田は私の地元でもあるので、近隣の方への根回し、町内会長などへの挨拶を重ね、理解してもらうよう努めました。

もしも私が逆の立場で、障がい者や福祉に関わったことがなかったら反対する方に回っているかもしれないと想像した時に、その理由の一つは情報がないからなんですよね。

分からないことが不安につながっていると考えると、思い込みや勘違いを払拭できる根拠に基づいた正しい情報発信することが絶対に必要です。
 
●準備段階のエピソードは?

近隣の方へ障がい者のグループホームについて正しく説明するために、わおんや町田市、警察からもらった情報や資料を準備しました。

そのおかげで、近隣の方からの反対はなく進みました。自分が子供の頃からお世話になっている方は、開設を喜んでくれました。

コロナの影響で閉店してしまったスナックからもたくさんの食器と冷凍庫を譲ってもらい、とても助かりました。
 
●スタッフの確保は?

インディードやエンゲージなどの無料掲載媒体を利用して、自分で全てやりました。これまでの経験では分からないことも多かったので大変でしたが、良い人に集まっていただき人材には恵まれています。

 

●物件について

今回の物件は精神・知的障がい者が対象ですが、将来的には色々な方を対象にできるように、設計の段階から全面的なバリアフリーを導入しました。

入居した方が齢を重ね、身体の自由度が制限されたときに、グループホームの造りが理由で退去しなければならない状況を避け、継続して住み続けられるように建物にはこだわりました。

 

●犬・猫について

私も犬を飼っています。散歩に行って近隣の人と話すと、飼い主さんの名前は知らないけど犬の名前は知っているといった犬友達ができます。犬のおかげで近隣のコミュニティの一員になれるんですよね。このグループホームに住んでくれる障がいを持った人たちも、散歩に行ったら地域の人達と犬を通じて会話ができたり、コミュニケーションできるだろうと考えています。

 
 
障がい者グループホームの運営について

●運営している中で心掛けていること

人と人のつながりの仕事だと思っているので、まずはスタッフに対して、「ありがとうと言うこと」と「言われること」を意識するように伝えています。「ありがとう」という言葉から、感謝が生まれ、相手の立場で考えて行動できる “思いやり” が生まれます。他者と得意不得意を補い合ったり、自分が相手のためにできることを一つでも多く、一生懸命やるという思いやりです。幸せもそうやって1つ1つ積み重なっていくと思います。

利用者さんにも、できないことに挑戦するよりも、できることを1つでも多くやるということを心掛けて接しています。

また、グループホームのスタッフと利用者さんと就労施設の方が互いに知り合い、繋がった時は、いい人の輪ができるような気がしています。事業としての数字はもちろん大事ですが、まずは人と人の繋がりを大事にしようと思います。
 
 

今後の目標
町田は福祉が充実しているのですが、社会福祉法人こそが正義で、金儲け目的で参入してきた株式会社などは邪道だと考えられている傾向があります。

しかし、保護犬や保護猫が利用者さんと「共生」して幸せに暮らせることを証明し、喜ばれるグループホームを作れば存在を認めざるを得なくなると考えています。それくらいまで知名度や人気を誇れるようになりたいです。社会福祉法人の方たちに、「なんだ、なかなかやるじゃないか」と思われるよう目指します(笑)。

グループホームの開設は、わおんなど巡り合った方とのご縁と、自分が納得しながら進んできた結果です。運命のレールが導かれるように敷かれていて、自分がドアを開き進んできました。「自分の残りの人生をかけてやる」と決めたので、いろいろな問題も乗り越えていきます。

 
 
事業を検討されている方へ一言
わおんのサポートやシステムがあれば開設はできますが、困難を乗り越えるためには自分の理念を持って、スタッフと同じ方向を向くこと、そして良き相談者を見つけることが大切だと思います。自分の夢に向かって頑張ってください。