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東京都 障がい者グループホーム ゆらりホーム

2020年10月に東京都青梅市で開設した障がい者グループホーム ゆらりホームを運営している合同会社YuRaLi・28 安達様ご夫妻にインタビューを行いました。会社名の由来は、3名のお子様のお名前だそうです。そんなお二人に開設までのストーリーに迫ります!

 

グループホーム概要

企業名/事業所 合同会社YuRaLi・28
エリア 東京都青梅市
開設棟数 1棟2ユニット  ※1F 男性、2F 女性
開設日 2020年10月 1棟2ユニットオープン
居室数 男性棟 7室 女性棟 7室
対象障がい者 精神障がい者、知的障がい者

障がい者グループホーム ゆらりホーム わん

障がい者グループホーム ゆらりホーム にゃん

 

障がい者グループホーム ゆらりホームについて 

●グループホームの特徴を教えてください。

入口は同じですが、1Fが男性、2Fが女性と完全に分かれた構造です。

もともと高齢者様用施設として使われていた物件で、廊下が広く、バリアフリー、エレベーター、スプリンクラーなどが設置されたままお借りできました。この大きな建物でも、『アットホーム感』、それぞれの方が自宅で生活している暖かい雰囲気を追求していきたいと考えています。利用者さんがそれぞれコミュニケーションをとれると同時にプライバシーも守られる、自分の時間とみんなで過ごす時間を確保できるようにしていきたいと思います。

 

 

アニスピホールディングス、わおん・にゃおん事業について

●障がい者グループホーム事業との出会い

数年前に、妻と一緒に独立し、私はコンサルティング事業を立ち上げました。妻は別の事業を運用していたのですが、ゆくゆくは一緒に1つの仕事をしたいとの夢をもっていました。そして、何か、青梅(奥様の地元)への地域貢献できる仕事がいいなと漠然と考えていました。

ある時、福岡のお客様と商談の中で、「わおん」事業のお話を聞いたのがきっかけです。帰宅後、妻と話し、ウェブ上で情報収集して、非常に興味を持ちました。

情報収集をして知っていくうちに、障害福祉事業に携わっていく意義を強く感じはじめました。ただ、福祉事業はまったく素人だったため、最初は不安しかなく、またどこかで私たちのような素人が手を出してはいけない事業と思い込んでいました。いろいろな方々のお話を伺ったり、施設の見学にいく中、「普通の考え方で障がいのある方に接することが本当は理想なんだよ」というアドバイスが力となり、後押しになりました。

 

人とかかわることが好きです。せっかくこの世に生をもらい、一つの人生をできるだけ笑顔でいたいという目的があります。それは、健常者も障がい者も隔たりなく、みな同じです。現実は、囲われた世界で過ごす障がい者が多いことを知り、そういう方もなるべく笑顔で過ごせるような場を作りたいと思いました。

仕事がどんな分野だったとしても、私たちのビジョンは不変で、「目の前の方に笑顔になってもらうという追求」です。その想いを貫き通していきたいのです。

 

●アニスピとの出会いと参画を決めたポイント

結婚式場や家もそうでしたが、最初に行ったところ・出会ったところに決める傾向、直感を信じるタイプですね。本当はいろいろと調べようとするんですけどね。。。(笑)それよりも、二人で調べた情報を基にしっかりと話し合い、やろうと決定したことに前進する。そこに注力することが大切です。

 

今年2月に説明会へ参加した時、藤田社長とエレベーターでバッタリ会いましたが、きばっていなく魅力的な人だと惹かれました。また、事業としても国の給付金で運用できるため、景気に左右されることなく、安定した経営ができることも安心できる一つの要素です。

 

 

障がい者グループホームの開設について 

●クラウドファンディングの活用について

私(奥様)が、某タレントがSNSで発信しているクラウドファンディング(オンラインで開業資金などを集めること)のよさを見た時に、「これだ!」と思いました。資金調達もそうですが、たくさんの方々に知ってもらえる機会だと考えたのです。

クラウドファンディングは、「周知する」だけでなく、障がい者グループホームとファンディング(資金援助)という“材料”をきっかけに、手伝いたいや応援したいと人々を感情的に巻き込み、色濃く意識に根づく、自分事にしていっていただけると思いました。

 

私たち二人にはそれぞれの役割があり、発想は妻、実務運営や土台作りは私が担当しています。“クラウドファンディング”とはじめに聞いたときは、「まじかっ?!」と思いましたが(笑)。クラウドファンディングについては、まったく知らなかったため、運営会社など情報を調べることから始めました。また、多くの材料集めには労苦しましたが、登録から開始までは、クラウドファンディング運営会社の流れに沿って進めていき、スタートできました。

スタート後、クラウドファンディングを行っていることについて、facebook、インスタグラム、LINEのタイムラインなどで情報を発信しつづけました。進めていく中で、「なによりも、ひとりひとりの支援が嬉しいものなんだ」ということを本当に実感しました。このコロナの中で、みなさまが厳しい状況にも関わらず支援をしてくれたこと、金銭よりも“熱い想い”をいただいていることに感動しました。また、「保護犬・保護猫を救ってください」など温かいコメントも多くもらいました。

ファンディングは、最初の1週間で30%~40%が集まり、その後横ばい、そして最後の7日間で集まる傾向だそうですが、私たちの事業も終了する1~2日前に目標金額を達成しました。

始める前は勇気が必要でしたが、絶対達成するという自信がありました。達成するのは決まっているのだから、そのためにできることはすべてしようと行動しました。人脈が広い人にシェアをお願いしたり、参加しているあきる野青年会議所のみなさまにも、応援していただけました。

 

●物件と融資について

地域とのつながりを深めたいと思い、あきる野青年会議所のつながりで地元の方に不動産屋さんを紹介いただき、その方とタッグを組んで物件探しを進めていきました。

当初は、物件を購入する計画で融資金額も大きかったこともあり、苦労しました。また、素人が福祉事業に参入するということについて、金融機関は冷たい対応でした。何件もの金融機関を回り挫折しかけた時に、妻の友人の親せきがこの物件の大家さんで紹介いただき、無事賃貸することができました。また、賃貸となることで融資金額も下がり、金融機関とも折り合いがつき、借り入れができました。

 

●都庁 福祉保健局について

福祉保健局とのやりとりについて、様々苦労しました。

この物件を、最初に福祉保健局に持って行ったときには、「グループホーム向きではない」とまったく相手にされませんでした。この物件をどうすればグループホームとして活用できるかを、食い下がって質問・やり取りをしました。

お風呂の増設、各部屋の鍵設置を行いました。それ以上に、なぜ障がい者グループホームとして進めていきたいのかという強い想い・温度感を伝えるために様々工夫をしました。

資料・書類の中身も大事ですが、福祉保健局とのやり取りの中で、どれだけの熱意をもってやろうとしているのか、障がい者に対して向き合う本気度を観られていると感じました。何度も折衝を重ねた結果、私たちの本気度が伝わったのか、最終的にはフレンドリーで協力的な関係になりました。最後の検査では、「いたり尽くせりのいい物件ですね」と真逆のことを言われました(笑)

 

 

●スタッフの確保について

わおん求人・ハローワーク求人に広告を出しましたが、比較的スムーズにスタッフを採用できました。

結構早い段階で、サービス管理責任者の資格を持ち、障がい者グループホームの経験がある方から応募がありました。ただ、その方は、もっと利用者に近い仕事、世話人の業務がしたいとの思いがあったのと、時期と条件があわず面接をお断りされてきました。こちらから「会わせてください」とお願いし、会うことができました。

その時に、私たちの想いを伝えることで、最初の6か月だけサービス管理責任者として立ち上げのスタッフに加わってくれることになりました。もう一人、介護福祉士の資格を持ち、障がい者対応の経験もある方がスタッフとして入ってくれるのですが、その方がサービス管理責任者にキャリアアップしてくださる予定です。

他に、クラウドファンディングのつながりから、手伝いたいと言ってくださる方も10名程度いるので、スタッフィングには恵まれています。

 

●利用者営業について

9月に入り、青梅だけでなく近辺も含め、相談支援事業、病院、社会福祉協会など50件ぐらい挨拶兼営業で訪問しました。また、SNS発信により、お問い合わせもいただいています。さらに、近くに就労支援B型の作業所があり、そこのサービス管理責任者の方と知り合う機会がありました。その方も見学にこられたのですが、「ここだったら自分の大事な利用者を預けられる」と、熱い、嬉しいお言葉をいただいています。

現段階で、12~13件の見学の方が来られ、4名に申込書をお渡ししています。私たちは、管理者、サービス管理責任者、私たちの4名が揃うときにしか、見学を受け入れていません。見学に来られた方から様々な情報を聞き、その後、経験豊富な管理者、サービス管理責任者の意見を踏まえつつ精査したうえで、決定しています。感情だけでなく、スタッフ体制および経験・スキルで対応できる方々をお受けすることが重要だと考えています。

ある時、交通事故にあわれて重度の障害となってしまった方が来られました。その方は、10年以上グループホームを探されており、私たちとしてはなんとかしたいと思ったのですが、管理者、サービス管理責任者から、

経験・スキルが整っていない中、安易にお受けするのは、かえってご迷惑をおかけすることになるとの意見をもらうことができました。

また、見学にお越しになられる保護者がご高齢の方もおられ、一日も早くお子様が生活できる場所を探されている切実な想い、現状を知ることができた出来事でした。

身体障がい等にも対応できるよう施設の設備としては整っているので、私たち、またスタッフの経験と技術を磨いてゆき、ゆくゆくは重度の身体障がいの方も、年齢を重ねて体に不自由が出てきた方も受け入れていけるようにしていきたいと強く思います。

すぐにできることとして、横のつながりを広げていき、同じ業界の人たちと協力しあうことで、様々な方が救われるのでは?!と思います。私たちとしては、積極的に他のグループホームや施設等にも出向いていく予定です。

 

●犬・猫について

8年前に、ご主人の実家からラブラドールが連れてこられて飼ったのが初めてのペットでした。その後、ハムスターなどを飼ったことがあります。

アニスピから「保護犬・保護猫」の話を聞いた後、保護犬について調べていたところ、“こなす”(わんちゃん)と出会い、4月に引き取りました。今では、家族全員が“こなす”にメロメロです。

この経験を通し、アニマルセラピー効果は100%あると確信しています。

 

今度、体験入居予定の方は、いままでペットを飼ったことはないのですが、わんちゃんと一緒に暮らしたいという強い想いから、学校でペットのアレルギー血液検査まで済ましてしまったそうです。(笑)

 

障がい者グループホームの運営について

必要なスタッフ8名は決定し、準備は整っています。スタッフ間の信頼関係醸成がキーだと思っています。

利用者の方々は、スタッフの表情や雰囲気を感じ取っていくと思うので、スタッフ間の確固たる信頼関係を築き、ちゃんと話し合える環境を作ることが重要です。それにより、自然に楽しく、笑顔が絶えないアットホーム感を作り出すことができるのだと思います。

 

また、利用者さんはひとりひとり違います。それぞれに、「失敗してもいいんだよ!自分なりに様々な経験をすることで、学べることが多いんだよ。」と伝えていきたいと思います。

ただ、漠然とした過度な励ましや「がんばれ」と言ってはいけないなど気をつけなければいけない点も多くあり、管理者、サービス管理責任者から、彼らの経験を通しての知識を教えてもらって、学び中です。

 

 

今後の目標

私たちのコンセプトは、「みんなちがって、みんないい」です。

そして、私(奥様)の究極の目標は、「自分が死ぬときに、自分で自分をほめたい」です。ここでかかわった人々、スタッフにも、利用者にも、そう思えるような人生を過ごしてもらいたいと考えています。そのためにも、人としてナチュラルに生活していただけるような場所にしていきたいです。

また、1Fと2F、2部屋ずつ空いていますが、近い将来、短期入所も受け入れていきたいと考えています。

 

 

事業を検討されている方へ一言 

自分たちの事業なのだから、自分たちで立ち上げ・運営する、最後までやり遂げる。そのためには、人の言葉に惑わされるのではなく、自分たちの熱い想いと決意が必要です。

わおんのサポートはちょうどいいと思います。がっちりサポートされてしまうと甘えが生じ、すべてが中途半端になってしまうのではないでしょうか?それでは、障がい者とのかかわりを最後までやり遂げることは、難しいと思います。基本的にはすべて自分たちで進めていく。どうしてもわからない時、質問したら答えてくれるぐらいのサポートがちょうどいいのです。

 

また、立ち上げのすべての経験が楽しい時間です。苦労やドラマがあり、一歩一歩進んでいくことをかみしめることは、事業に対する想いも強くなります。

家族、親戚、スタッフ全員で、この物件を掃除しました。一緒に掃除することで、想いと関係強化にもつながりました。

周りの人たちを巻き込み、関係者全員で楽しみながら最後までやり遂げることが重要だと感じています。