三重県 ワックワークわん

わおん参画企業からの声

ワックワークわんの運営会社、 株式会社Cloud nine 福留様、シュカ様にインタビューを行いました。

2020年2月、三重県伊勢市に最初のグループホームを開設してから約半年。その開設ストーリーに迫ります!

 

 

グループホーム概要

企業名/事業所 株式会社Cloud nine
エリア 三重県伊勢市
開設棟数 3(男性棟2、女性棟1)
開設日 男性棟 2019年12月 女性棟2019年12月 女性棟2020年7月
対象障がい者 精神障がい者、知的障がい者

 

 

アニスピHD、わおん・にゃおん事業について

●アニスピとの出会いと参画を決めたポイント

Cloud nineは、多角化企業を目指しており、常に事業拡大を目指し複数の事業を展開しています。新たな事業の1つとして、民泊事業を行っていた経験から、空き家の活用方法はないかと画策していたところ、障がい者グループホーム事業の情報に出会いました。セミナーに参加したところ、ビジネス・空き家活用・障害者福祉への貢献の事業であるとわかり、興味を抱きました。ただ、それだけではビジネスの仕組みとして決め手にかけると感じ、さらに情報を調べたところ「わおん・にゃおん事業」を見つけました。「わおん・にゃおん事業」では、動物の殺処分問題にも取り組み、ペット共生型という点に惹かれ、さっそく京都のセミナーに参加いたしました。そこで藤田会長とお会いし、いろいろとお話をして、「この人だったら間違いない!」と確信し、参画しました。

地元への貢献、空き家対策にプラスして自由な社風と器の大きさにビビッときて、面白いと感じました。

 

また、Cloud nine代表の子供が引きこもりで、私(シュカ様)の親戚も障害を持っており、障害者に対してのサポートが十分でないという実体験が、障がい者グループホーム事業を行っていく後押しとなりました。

 

さらに、私(シュカ様)はクラウドファンディングでペット殺処分に対しての応援もしていましたが、毎回ことあるごとに寄付の依頼を受け、持続性・関連性に課題を感じていました。「わおん・にゃおん事業」は、1棟開設するごとに1頭の命を救えるという継続性も魅力の一つです。

 

 

障がい者グループホームの開設について 

●スタッフの確保について

まず、サービス管理責任者が必須ですが、偶然にも意外とスムーズにリクルートできました。すぐにリクルートできたという安心感から、その方にすべてを任せていました。福祉の経験が長く、「わおん・にゃおん事業」の理念とは真逆で、「あれをしてはだめです」、「入居者を“XXXちゃん”と呼んではいけない」などルールでガチガチの方でした。また、「自分がぬけるとサービス管理責任者がいなくなり、困るでしょう」と、こちらの弱みを握ったような感じで仕事をしていたので、私たちは非常に息苦しい状態でした。

ある時、減算される覚悟を決め、アニスピの担当に連絡し他の方を探し始めたところ、10分後にはご紹介いただきました。さっそく、次の日に面接、即採用をいたしました。

 

●物件について

最初は高知で開設しようと考えていたのですが、物件が見つかりませんでした。

その後、私(シュカ様)が三重県で空き家を一軒もっていたため、それをグループホームにと考え、事業の可能性を検討しはじめましたが、耐震性の問題があり別の物件を探すことにしました。その際、一緒に大家様に折衝していただける不動産会社とめぐりあい、タッグを組んで進めていきました。

当初は、どの物件も障がい者グループホーム、犬・猫はNGと言われました。障がい者のイメージが奇声をあげる、排せつの問題など、犬・猫を飼うと汚されるとの先入観よりNGと言われてしまいました。時間をかけ、大家様に、障がい者は軽度で昼間は就労されている方が対象であること、殺処分される犬・猫を譲り受けること、そして返却時は原状回復するなど細かい条件も含め主旨をお話することで、ご理解、ご賛同いただき、3軒開設することができました。

 

●振り返って思うこと

わおん・にゃおん事業で、様々な書類やマニュアルをいただきましたが、当初は読んでしっかりと理解しないままに、今までのビジネス経験を活かし、早い展開で準備を進めてきてしまいました。特に物件については、基本条件を満たしていたため、事前確認せずに先走って借りてしまい、わおん・にゃおんのスタッフの方に驚かれてしまいました(笑)ただ、私(福留様)が一級建築士の資格を持っているので、結果問題なく進められることができました。

 

頭では、2棟一度に開設したほうがいいと聞いていたのですが、基本は1棟開設し事業を軌道にのせてから、2棟目としたステップのほうがいいかもしれません。2棟を一度に開設する場合、ある一定期間2棟分の資金繰りの課題があります。

では、1棟ずつとした場合、2棟目を開設する時間をとることが難しくなってしまう可能性も考えられるため、結果的に私たちとしては2棟一度に開設でよかったとも考えています。

これらの経験を踏まえて、今後まず3棟目を立ち上げ成功させたうえで、次の4棟目とステップを踏んで進めていくプロセスに切り替えていきます。

また、人員配置や食事の調達など細かい点のトライ&エラーを繰り返し、ようやく定着してきました。

最初はなにもかも、やってみないとわからないという状態で右往左往していましたが、楽しんで進めてきました。

 

 

障がい者グループホームの運営について

●運営している中で心掛けていること

私たちのグループホームでは、ほぼ24時間、入居者の方々と共に生活をしている感じで過ごしています。

1棟立ち上げたら、まずは寝食を共にし、入居者との距離感とコミュニケーションを十分にもち、一人一人の特性を理解するようにしています。そのうえで、食事や服薬、就労など具体的にベストなサポートを考え、生活支援員に引き継いでいくスタンスで進めています。引き継ぐタイミングへの考慮は必要ですが、これらの点を押さえておけば問題ないと確信しています。

 

●入居者の変化について

グループホームで生活をし始めて非常に変化しています。病院からこちらに移られた人は、最初はげっそりとした顔をしていたのですが、犬や私たちと生活を共にしていくことで、にこやかになり、体重も増えてきています。少し運動不足かなと感じるときは、犬と一緒にでかけたり、散歩するようにしています。明らかに表情がよくなっています。

 

●動物と暮らす効果

犬・猫の役割は非常に大きいです!

ある入居者のケースでは、以前は就労から帰宅するとすぐに部屋に閉じこもってしまっていましたが、今はまるちゃん(犬)に餌をあげてくれたり、ずっと抱いて、リビングで過ごす時間が長くなりました。ある時、彼女が部屋から出てくると、まるちゃんがドアの前で丸まって寝ていたそうです。それをみた彼女は、心から「可愛い」と言っていました。心がリアルに癒されていることを目の当たりにしています。

表情が明るくなり、リビングに出てくる回数が増えました。また、以前は就労に行きたくないということが多かったのですが、今では休まず毎日元気に通っています。社会とのかかわりが目に見えて増えてきています。

もちろん、気持ちの浮き沈みがあり、部屋から出てこないときもありますが。。。

また、わんちゃんがいることで、「今日のまるちゃんはどう?」、「あっ、あそこに阻喪しちゃった」など、共通の話題ができ、簡単にコミュニケーションがとれます。

過去の経験が過酷な方でも、犬と共に暮らすことで、すごく癒されて、癒されて、本当に表情が変わってきます!

もうひとつ。犬と一緒に散歩すると身体的能力の回復にもつながっていくと考えています。

 

 

事業を検討されている方へ一言 

ビジネスは、参画したらすぐに成功するものではないです。丸投げ等せず、自分たちで着実に一つ一つ調べ、勉強し、でも怖がらず一歩一歩進むことが大切です。

わおんマニュアルは、非常によくできており、マニュアル通りに進めていけば失敗することないと思います。ただ、物件探し、サービス管理責任者採用、入居者募集のタイミングがとても重要です。

まずは、自分たちで動き、迷ったときや困ったときに相談するという体制をお勧めします。たとえば、自分たちで建物を探す、図面を提出する、レセプトも作成するなど様々なことを一歩一歩進めましたが、バックアップがある、なにかあったときは聞けるホットラインがあるという安心感がとても大きかったです。トイレットペーパーは共有でいいか、お風呂は一人入ったら流して入れなおすほうがいいのか、チラシはいつどこに配布したらいいかなど、マニュアルには出てこない、経験を通してしかわからない本当に些細なことを相談しました。

 

多くのエリアで展開している「わおん・にゃおんグループホーム」間で協力関係を築き、様々なケースを共有していけるとさらに大きな力となると思います。その点が、参画する最大のメリットだと考えています。