Yahoo!Japan運営の『コトナル』に弊社のグループホーム「お江戸障がい者グループホームわおんE」が掲載されました。
ペットとeスポーツがカギ――見えない障害を抱える人たちが自立を目指して共同生活
グループホームとはどのようなものか?どんな人が入居しているのか?
藤山さん:グループホームは「共同生活援助」ともいい、障害のある方が社会生活上の支援を受けながら共同生活を送るものです。住宅形態は一般的には一軒家で、1住居あたりの定員は4~5名が平均的です。入居者一人ひとりが各々にあった支援を受けながら自立した暮らしを目指せる生活の場がグループホームです。
入居者は、知的障害、精神障害、発達障害、身体障害や難病を抱える方が主な対象です。年齢は原則として18歳から64歳までの方です。
全国でも類を見ないeスポーツをコンセプトにしたグループホーム
――どうしてeスポーツをグループホームに取り入れたんでしょうか?
藤山さん:グループホームという共同生活の場なので、一緒に過ごす時間は家族のように長く、お互いの気遣いや理解、チームワークは欠かせません。なので、新しいグループホームを作るというより、みんなで何か共通でできることを模索した結果、eスポーツではないか、ということになりました。
栗栖さん:もともとゲームは好きで、プレイステーションなどをやっていました。
前田さん:自分の部屋では「スマブラ」をやっています。現在、グループホームのリビングにあるのは「ストリートファイター」のみで、これからはリビングでみんなとできるように「ウイニングイレブン」も欲しいですね(笑)
――実際に導入してみて、変化はありますか?
藤山さん:eスポーツでの戦い方と実際の性格は結構違うので面白いです。穏やかな性格の人でもeスポーツになると攻撃タイプだったり、鈴木さんのような几帳面で慎重な性格の人でも無鉄砲に技を繰り出したり…。皆さん最初は今ほど強くなかったですね。個人でも練習したり、対戦を通じて新しい技を覚えるのは日課です。
――誰が一番強いんですか?
栗栖さん:前田さんが一番強いです。
前田さん:それでもグループホームの外にはものすごく強い対戦相手がいるので、その人に勝てるようになりたいです。
――eスポーツをやってよかったことはありますか?
前田さん:今までは部屋で好きな時間に好きなだけゲームをやって、昼夜逆転生活を送っていました。いわゆる引きこもりです。グループホームに入居してからも数カ月はそういった生活を送っていました。
ですが、eスポーツをリビングでみんなとやるようになって、だんだんと生活のリズムが整ってきました。
本当にうれしかったのは就労支援事業所で勤務を開始できたことです。スタッフさんには「いい意味で期待を裏切った」と言われました(笑)先月は毎日勤務することができて、朝も誰にも起こされることなく自分で目覚めることができました。今も一日中eスポーツをすることはありますが、翌日の朝、寝坊しないようにという約束があります。
鈴木さん:自分は吃音の症状がありますが、eスポーツの時はスムーズに話せることが多いと思います。
栗栖さん:eスポーツを通して先を読む力がつきました。
藤山さん:リスク管理能力、ですよね。入居してからeスポーツ好きになった人もいます。最初は興味がなくても、他の人がやっているのを見ているうちにやってみたくなって、今では一緒に大会にも参加しています。みんなでコーラを飲みながらポテトチップスを食べながら、eスポーツをする時間は日常生活の中の貴重な一部になっています。
動物がいることで芽生えた気持ち
――このグループホームの特徴はeスポーツだけではなく、保護犬と共生できるという点もあります。保護犬の「あさり」ちゃんは、みなさんにとってどんな存在ですか?
栗栖さん:あさりがいない生活は考えられません。散歩をしたり、ご飯を食べている姿や寝ている姿を見たり。本当に家族のような存在です。お客さんが来ると少し吠えることもありますが、声をかけて安心させてあげます。
前田さん:eスポーツやポテトチップスよりも(笑)とにかく大切な存在です。長い時は1時間程度散歩に行きますが、eスポーツだけではどうしても運動不足になりがちなので貴重な運動時間です。
「わおん」グループホームとは?
鈴木さん:「愛」ですかね。
前田さん:「人と動物が共存するところ」です。
栗栖さん:自分にとっての「家」です。
「わおん」のグループホームには、目に見えない障害を抱えながら自立に向けての一歩を踏み出そうとしている方たちが専門的なサポートのもと共同生活を送っています。「わおん」を運営するアニスピHDはIssue Driven Company “社会課題を解決することによって成長していく会社”であることを掲げ、障害を理由に生きづらさを抱える方々へ安心で安全な住居の創出を続けています。