障害者向けグループホームの運営にかかる人件費|人員配置基準を知らないと、最悪、指定取り消しに!

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障害者向けグループホームの運営にかかる人件費|人員配置基準を知らないと、最悪、指定取り消しに!

(引用:厚生労働省 緊急に措置すべき事項 4頁

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000150450.pdf

 

あらゆる介護・障害福祉の事業所には、人員基準が設けられていて、その人員基準を守っていないと報酬を返納するか、悪質な場合は指定取り消しになりますので、要注意です。障害者グループホームの場合の人員基準は以下です。

 

1、管理者兼サービス管理責任者

2,世話人及び生活支援員

3,夜間職員

 

の配置が必要です。

 

1、管理者兼サービス管理責任者

管理者とサービス管理責任者を兼務させるケースが多く、地域によりだいたい、25万・28万・30万・35万に分かれます。沖縄などではもう少し安いです。東京だと35万+5万以上のケースもあります。

管理者とサービス管理責任者は

 

①支援プロセスの管理に関すること(個別支援計画を含むプロセス全体と責務を理解する)

入居してくる人、1人1人がどういう人なのかアセスメントを行います。そのアセスメントに基づいて、どういう支援をしていったらいいのかを考えて計画にすることが最も大きな仕事です。グループホームを運営する際には、この支援計画書に基づいて、世話人や生活支援員が支援を提供していきます。支援計画書がいい加減だと、いい加減な支援を提供することになります。アセスメントをしっかり行うといいケアプランを作れます。アセスメントの段階で話を聞かず、本人が仕事に行きたいにも関わらず、行きたくないことを前提に個別支援計画書を作ってしまうと、計画書自体が何の役にも立たなくなってしまいます。ですので、アセスメントと個別支援計画書の作成は非常に大切です。

 

②サービス提供者への助言や指導もします。

 

グループホームの場合、病院から退院してくる・他のグループホームから移ってくる・東京だと通勤寮から移ってくる人がとても多いので、関係する機関が非常に多いです。それなので、それらの機関との連絡調整役も大切な仕事です。④第三者評価への対応もまた、重要な役割です。

 

 

第三者評価の受審のメリット

第三者評価は保育・介護・障害福祉事業所も共通で努力義務として行うものです。社会福祉法第78条では「社会福祉事業の経営者は、自己評価の実施等によって自らの提供する福祉サービスの質の向上に努めなければならない」と自己評価について規定しています。第三者評価を受審する際には、評価機関への申し込みが必要です。評価機関は、都道府県により異なるので、webで検索し、申し込んでください。申し込みをすると、第三者評価の評価委員の人たちがきて、半日~丸1日かけて、そこの施設を評価します。評価を受けると、自治体のホームページや、第三者評価の結果を公表するweb上に公開されます。

ですが、第三者評価の受審はあまり浸透していません。それはなぜかといえば、第三者評価でいい結果が出て、それがweb上で公表されても、ほとんど誰も見ていないからです。入居者や利用者の確保、採用に全く結びつかないので、なかなか普及していない制度です。ですが、グループホームを1年ほど運営したら、第三者評価をぜひ、受けてみてください。受けることで、自分が運営するグループホームがどのように評価されるのか、客観的に知ることができます。第三者委員会は、実地指導員のように、人員基準違反等を指摘してくるわけではありません。ですので、ぜひ、受けてみることをおススメします。第三者評価を受けているというだけで、福祉業界での評価は上がる傾向があります。

 

2,世話人及び生活支援員

 

グループホーム運営では、管理者兼サービス管理責任者は資格を求められますが、世話人及び生活支援員は資格を求められません。

世話人及び生活支援員の業務は、「食事」「洗濯」といった「家事全般」と「入浴」「排泄」といった「日常生活での支援」です。

 

世話人と生活支援員の業務の違いは、実務上、ほとんどありません。ただ、法律的には、世話人は「日常の世話」、生活支援員は「介護」と業務内容が分かれています。同一人物が、ある時間帯は世話人として、別の時間帯は生活支援員として働くことも可能です。多くは世話人と生活支援員を兼務しています。特に、軽度の方が入所しているグループホームでは、生活支援員を配置していても、介護業務はほとんどないです。その業務のほとんどが、世話人としてのものです。

 

ただシフト上は、「Aさん 〇時~〇時 世話人/〇時~〇時 生活支援員」という風に、分けて表記する必要があります。生活支援員は、障害区分3以上の方が入所している場合に配置しなければなりません。

 

区分3の入居者がいる場合、「区分3以上の方の入居者数÷9×1週間の労働時間(40時間)」の時間数、生活支援員を配置する必要があります。同じように、区分の4以上の方の場合は、「区分4以上の方の入居者数÷6×1週間の労働時間(40時間)」の時間数、生活支援員を配置する必要があります。

 

このように配置時間を計算し、配置します。ですので、入居者が入れ替わると、生活支援員の配置時間も変わります。

 

3,夜間職員

 

(引用:厚生労働省 01_資料1_共同生活援助に係る報酬・基準について_1111 5頁

https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000696061.pdf

 

夜間職員の賃金は、地域や時間の設定により大きく異なりますが、だいたい1回1万円~1.5万円になることが多いです。グループホームに夜間、職員を配置すると、夜間支援体制加算がつきます。夜間は22時から翌朝5時までの7時間を指します(うち1時間は休憩時間)。夜間支援体制加算には(Ⅰ)~(Ⅲ)まで基準があります。

 

給付額が一番大きい夜間支援体制加算(1)は、夜勤を行う夜間支援従事者を配置すると算定できます。夜間支援体制(Ⅱ)は、宿直を行う夜間支援従事者を配置するのですが、22時から翌朝5時の間、寝ていてもいいので、その間に何か発生したら対応してくださいというものです。夜間支援体制加算(Ⅲ)は、警備会社や自分の事業所の従業者等による常時の連絡体制又は防災体制を確保している場合に算定されます。

 

上記が、障害者向けグループホームを運営する際にかかる人件費です。報酬の返納や指定取り消しにならないように、しっかりポイントを押さえておきましょう!

 

 

「藤田英明ライブ福祉スクール(https://anispi-seminar.peatix.com/)」より抜粋

文 田口ゆう