高齢者介護の現場で働く人たちにとって、一番気になるのは、給料水準のアップと、今後のキャリアパスではないでしょうか?高齢者介護業界で培った経験や資格を活かし、障害福祉業界へキャリアチェンジ!そして、給料アップ!そんな方法があります。
今回は、前職での業務経験が活かせる、代表的な資格である
①児童発達支援管理者(児発菅)
②サービス管理責任者(サビ管)
の仕事内容とそのなり方をご紹介します。
【児童発達支援管理者(児発菅)とサービス管理責任者(サビ管)の違い】
① 児童発達支援管理者(児発菅)とは
放課後等デイサービス、児童発達支援、保育所等訪問支援などの児童を対象とした障害福祉サービスで、サービス管理を行う者をいいます。
【具体的な仕事の内容】
サービスの提供のプロセス全体を管理
・利用者・保護者に対するアセスメント作成
・個別支援計画の作成と評価、モニタリング
・支援サービスに関わる関係者との連絡調整
・保護者相談の対応
② サービス管理責任者(サビ管)とは
訪問系、児童系、相談支援系と短期入所以外のサービスに従事する、障害福祉サービス事業のキーマン。障害福祉サービスの提供に係るサービス管理を行う者
【具体的な仕事の内容】
利用者の直接支援ではなく、間接支援を行う
・利用者に対するアセスメント作成と評価、モニタリング
・支援サービスに関わる関係者との連絡調整
【それぞれになるための資格要件】
①児童発達支援管理責任者(児発菅)になるための実務経験の要件
要件で見るべきポイントは3つに分けられます。従事してきた「施設」「業務内容(相談/直接支援)」「国家資格の有無」。簡単にまとめると、以下のいずれかに該当していることが要件となります。
①5年以上の相談支援業務の経験があること※
②8年以上の直接支援業務の経験があること※
③いずれかの国家資格を持ち、実務経験を満たしていること
※①と②については、高齢者分野の実務経験も実務経験年数に含めることはできるが、児童または障害者に対する支援業務に従事した期間が通算3年以上必要。実務経験に含まれる業務の範囲は都道府県ごとに独自に設定していることもあるので、自分が申し込みをする都道府県の要件を必ず確認しましょう。共通する部分については以下の通りです。
①5年以上の相談支援業務の経験がある場合
下記に記した施設において、相談支援業務に通算5年従事していることが必要です。
ここでの実務経験とは、業務に従事した期間が1年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上であることを指します。例えば「5年以上の実務経験」とは、業務に従事した期間が5年間で、実際に従事した日数が900日以上ということを指します。
<ア:相談支援事業に従事する者>
・地域生活支援事業
・障害児相談支援事業
・身体障害者相談支援事業
・知的障害者相談支援事業
<イ:相談機関等において相談支援業務に従事する者>
・児童相談所
・児童家庭支援センター
・身体障害者更生相談所
・精神障害者社会復帰施設
・知的障害者更生相談所
・福祉事務所
・発達障害者支援センター
<ウ:施設等において相談支援業務に従事する者>
※老人福祉施設
※介護老人保健施設
※地域包括支援センター
※救護施設
※更生施設
・障害児入所施設
・乳児院
・児童養護施設
・児童心理治療施設
・児童自立支援施設
・障害者支援施設
・精神保健福祉センター
<エ:就労支援に関する相談支援の業務に従事する者>
・障害者職業センター
・障害者就業・生活支援センター
<オ:学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)において相談支援の業務に従事する者>
・幼稚園
・小学校
・中学校
・義務教育学校
・高等学校
・中等教育学校
・特別支援学校
・高等専門学校
<カ:医療機関において相談支援業務に従事するもので、次のいずれかに該当する者>
・病院
・診療所
ただし、社会福祉主事、相談支援専門員等、保育士、児童指導員、障害者社会復帰指導員であって、上記ア~オの実務経験 年数が1年以上のもの。
※老人福祉施設、救護施設、更生施設、介護老人保健施設、地域包括支援センターなどの高齢者分野での相談支援業務に従事してきた場合、この期間も実務経験年数に含めることはできますが、これらの業務以外に児童または障害者に対する支援業務に従事した期間が通算3年以上必要です。
②8年以上の直接支援業務の経験がある場合
下記に記した施設において、直接支援業務に通算8年従事していることが必要です。ここでの実務経験とは、業務に従事した期間が1年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上であることをいう。例えば「5年以上の実務経験」とは、業務に従事した期間が5年間で、なおかつ実際に従事した日数が1440日以上ということを指します。
<ア:施設等において介護業務に従事する者>
※老人福祉施設
※介護老人保健施設
※病院又は診療所の療養病床関係病室
・障害児入所施設
・助産施設
・乳児院
・母子生活支援施設
・保育所
・幼保連携型認定こども園
・児童厚生施設
・児童家庭支援センター
・児童養護施設
・児童心理治療施設
・児童自立支援施設
・障害者支援施設
<イ:事業所等において介護業務に従事するもの>
※老人居宅介護等事業
・障害児通所支援事業
・児童自立生活援助事業
・放課後児童健全育成事業
・子育て短期支援事業
・乳児家庭全戸訪問事業
・養育支援訪問事業
・地域子育て支援拠点事業
・一時預かり事業
・小規模住居型児童養育事業
・家庭的保育事業
・小規模保育事業
・居宅訪問型保育事業
・事業所内保育事業
・病児保育事業
・子育て援助活動支援事業
・障害福祉サービス事業
<ウ:医療機関等において介護業務に従事する者>
・保険医療機関
・保険薬局
・訪問看護事業所
<エ:障害者雇用事業所において就業支援の業務に従事するもの>
※特例子会社
※助成金受給事業所
<オ:学校教育法第1条に規定する学校(大学を除く)>
・幼稚園
・小学校
・中学校
・義務教育学校
・高等学校
・中等教育学校
・特別支援学校
・高等専門学校
※老人福祉施設や介護老人保健施設、療養病床関係病室、老人居宅介護等事業などの高齢者分野での直接支援業務に従事してきた場合、または特例子会社、助成金受給事業所で障害者の就労支援に従事してきた場合には実務経験年数に含めることはできますが、これらの業務以外に児童または障害者に対する支援業務に従事した期間が通算3年以上必要です。
③国家資格と実務経験がある場合
社会福祉士や介護福祉士などの国家資格などを所有している場合は、「+実務経験」で資格の要件を満たす場合があります。
●社会福祉主事任用資格などで5年
以下のいずれかに該当する場合には、直接支援業務の経験が通算5年必要です。
1)社会福祉主事任用資格
2)相談支援の業務に関する基礎的な研修を修了する等により相談支援の業務を行うために必要な知識及び技術を 習得したものと認められるもの
3)保育士又は国家戦略特別区域限定保育士
4)児童指導員任用資格者
5)精神障害者社会復帰指導員任用資格者
●国家資格を持って5年
以下の国家資格等を取得して5年以上従事している場合には、相談支援業務または直接支援業務の経験が通算3年以上必要です。
社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、保健師、助産師、看護師、准看護師、管理栄養士、栄養士、医師、歯科医師、薬剤師
③サービス管理責任者(サビ管)になるための実務経験の要件
要件で見るべきポイントは3つに分けられます。従事してきた「施設」「業務内容(相談/直接支援)」「国家資格の有無」。簡単にまとめると、以下のいずれかに該当していることが要件となります。
①5年以上の相談支援業務の経験があること※
②8年以上の直接支援業務の経験があること※
③いずれかの国家資格を持ち、実務経験を満たしていること
※①と②については、高齢者分野の実務経験も実務経験年数に含めることはできるが、児童または障害者に対する支援業務に従事した期間が通算3年以上必要。実務経験に含まれる業務の範囲は都道府県ごとに独自に設定していることもあるので、自分が申し込みをする都道府県の要件を必ず確認しましょう。共通する部分については以下の通りです。
①5年以上の相談支援業務の経験がある場合
<ア 相談支援事業に従事する者>
・地域生活支援事業
・障害児相談支援事業
・身体障害者相談支援事業
・知的障害者相談支援事業
<イ 相談機関等において相談支援業務に従事する者>
・児童相談所
・身体障害者更生相談所
・精神障害者社会復帰施設
・知的障害者更生相談所
・福祉に関する事務所
・発達障害者支援センター
<ウ 施設等において相談支援業務に従事する者>
・障害者支援施設 ※1
・障害児入所施設
・老人福祉施設 ※2
・精神保健福祉センター
・救護施設及び更生施設
・介護老人保健施設 ※3
・地域包括支援センター
<エ 就労支援に関する相談支援の業務に従事する者>
・障害者職業センター
・障害者就業・生活支援センター
<オ 特別支援教育における進路指導・教育相談の業務に従事する者>
・特別支援学校
<カ 医療機関(病院若しくは診療所)において相談支援業務に従事する者で,次のいずれかに該当する者>
(1)社会福祉主事任用資格を有する者 ※7
(2)訪問介護員2級以上に相当する研修の修了者
(3)国家資格等 ※1を有する者
(4)上記アからオに掲げる業務に1年間以上従事した者
<キ その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事する者>
・精神障害者地域生活支援センター
・保健所
・市町村役場
・指定居宅介護支援事業所
・「指定」事業所以外の市町村からの委託や補助金により運営されている小規模作業所等(市町村の任意の障害児預かり事業や地域生活支援事業など)
・小学校,中学校の特別支援学級の担任
・障害児受入保育所(障害児受入による職員の加配を行っている場合に限る。)
②8年以上の直接支援業務の経験がある場合
<ア 施設及び医療機関等において介護業務等に従事する者>
・障害者支援施設 ※1
・障害児入所施設
・老人福祉施設 ※2
・介護老人保健施設 ※3
・療養病床
・障害福祉サービス事業 ※4
・障害児通所支援事業 ※5
・老人居宅介護等事業 ※6
・病院若しくは診療所又は薬局
・訪問看護事業所
<イ 障害者雇用事業所において就業支援の業務に従事する者>
・特例子会社
・障害者の雇用の促進等に関する法律第 49 条第1項第6号に規定する助成金の支給を受けた事業所
<ウ 特別支援学校における職業教育の業務に従事する者>
<エ その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事>
・「指定」事業所以外の市町村からの委託や補助金により運営されている小規模作業所等(市町村の任意の障害児預かり事業や地域生活支援事業など)
・小学校,中学校の特別支援学級の担任
・障害児受入保育所(障害児受入による職員加配を行っている場合)
・認知症対応型老人共同生活援助事業
・介護付有料老人ホーム
③ 国家資格と実務経験がある場合
社会福祉士や介護福祉士などの国家資格などを所有している場合は、「+実務経験」で資格の要件を満たす場合があります。
●社会福祉主事任用資格などで5年
以下のいずれかに該当する場合には、直接支援業務の経験が通算5年必要です。
1)社会福祉主事任用資格
2)訪問介護員2級以上に相当する研修を修了した者
3)保育士
4)児童指導員任用資格者
5)精神障害者社会復帰指導員任用資格者
●国家資格を持って5年
以下の国家資格等を取得して5年以上従事している場合には、相談支援業務または直接支援業務の経験が通算3年以上必要です。
社会福祉士,介護福祉士、医師,歯科医師,薬剤師,保健師,助産師,看護師,准看護師,理学療法士,作業療法士,視能訓練士,義肢装具士,歯科衛生士,言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師,柔道整復師,管理栄養士,栄養士又は精神保健福祉士
【2019年度から改正されたサービス管理責任者・児童発達支援管理者の研修】
改正点は大きく分けて、以下の3つ
1、 これまでの研修を基礎研修、実践研修、更新研修に分ける。
平成31年(2019年)4月より、新体系による研修が開始されました。旧体系による研修受講者は、2023年度までに更新研修の受講が必要となります。
2、研修カリキュラムの統一
サービス管理責任者の全分野<平成30年度までは介護、地域生活(身体)・地域生活(知的・精神)、就労に分かれていたと児童発達支援管理者の研修のカリキュラムを統一し、共通で実施されることになった。
3、基礎研修の終了時点で、サービス管理責任者等の一部業務が可能となった
【気になるお給料】
この図は厚生労働省の調査による、障害福祉サービス等従事者の平均給与額ですが、平成29年9月を見てみると、福祉・介護職員が311,795円に対し、サービス管理責任者は381,991円。月額で7万円近くの差となります!
年間にすると842,000円近くアップします!
出典:厚生労働省『平成29年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果の概要』
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/toukei/shogu_tyousa/dl/h29_gaiyou.pdf
児童発達支援管理者に関しては統計が出ていませんが、民間の企業の求人情報に掲載されている月給帯は17万~30万円とピンキリですが、ほとんどが22万~24万円の給料となっています。
なかには年俸400万円~(管理者と兼務の場合)の給料もあったりと、保育士などの職種と比較しても、給料は高めになっています。
出典:介護のお仕事研究所
同じ資格・勤務年数であれば、断然、福祉業界へのキャリアチェンジがお得ですね!高齢者介護での経験は、障害福祉業界でも活かせます。この機会にあなたもキャリアチェンジ&給料アップを目指してみてはいかがですか。
参考
かながわ福祉情報コミュニティ
介護のお仕事研究所
https://kaigo-shigoto.com/lab/
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/index.html
東京保健福祉局
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/
ジョブメドレー
「障がい福祉事業の開業・手続き・運営のしかた」 伊藤誠著 アニモ出版