障害福祉事業とは?

福祉サービスを利用したい方

SNSの普及やメディアによって取り上げられることで、障害に関する認知が広がる一方、実際に自身が障害になったら、身内が障害になったら、という観点での障害に関する知識が足りていないなと、当事者のコラムや障害の方のニュースを拝見すると、感じ取れる。

そんな障害福祉事業について、今回は触れていきたい。そもそも、障害福祉事業とは何なのか、実際に利用する際には、どのような手続きが必要なのか、利用していく中で他の事業所やサービスを利用したい場合はどうしたらいいのか、等、実際に利用することを想定してみていきたい。

障害福祉事業が基づく法律「障害者総合支援法」

障害福祉事業は、法律に則って、行政の認可のもと行う事業。

その基となる障害者総合支援法は、「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律」の整備により2013年に制定される。

目的・基本理念

目的規定において、「自立」という表現に代わり「基本的人権を享有する個人としての尊厳」と明記され、障害者総合支援法の目的の実現のため、障害福祉サービスよる支援に加えて、地域生活支援事業その他の必要な支援を総合的に行う。

障害福祉事業の種類

障害福祉サービス事業障害者総合支援法第5条第1項
居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、短期入所、重度障害者等包括支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助及び共同生活援助(施設障害福祉サービスを除く。)を行う事業を指す。

サービスは、個々の障害のある人々の障害程度や社会活動や介護者、居住等の状況等を踏まえ、個別に支給決定が行われる「障害福祉サービス」と、市区町村の創意工夫により、利用者の方々の状況に応じて柔軟に実施できる「地域生活支援事業」に大別される。

「障害福祉サービス」は、介護の支援を受ける場合には「介護給付」、訓練等の支援を受ける場合は「訓練等給付」に位置付けられ、それぞれ、利用の際のプロセスが異なる。

サービスには期限のあるものと、期限のないものがありますが、有期限であっても、必要に応じて支給決定の更新(延長)は一定程度、可能となる。

障害福祉事業のサービス内容

サービスの内容

※参照:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html

障害福祉事業のサービスを利用するまでの流れ

  1. サービスの利用を希望する場合、市町村の窓口に申請し障害支援区分の認定を受ける
  2. 市町村は、サービスの利用の申請をした方(利用者)に、「指定特定相談支援事業者」が作成する「サービス等利用計画案」の提出を求める。
    利用者は「サービス等利用計画案」を「指定特定相談支援事業者」で作成し、市町村に提出する。
  3. 市町村は、提出された計画案や勘案すべき事項を踏まえ、支給決定。
  4. 「指定特定相談支援事業者」は、支給決定された後にサービス担当者会議を開催。
  5. サービス事業者等と連絡調整を行い、実際に利用する「サービス等利用計画」を作成。
  6. サービス利用開始

※参照:全国社会福祉協議会
https://www.mhlw.go.jp/tenji/dl/file01-01.pdf

障害福祉事業のサービス利用を更新する際に必要な手続き

障害福祉サービスには期限のあるものと、期限のないものがあるが、有期限であっても、必要に応じて支給決定の更新(延長)は一定程度、可能。方法としては、モニタリングの際に、引き続きそのサービスの利用が必要と認められ支給決定の更新等が必要とされた場合、サービス等利用計画案を併せて作成して、申請をしていく。

「モニタリング」とは、サービス等の利用状況の検証と計画の見直しのために一定期間を定めて実施されるもので、サービスを利用していくと、必ず、「モニタリング」が行われる。

モニタリング実施期間は、利用者の状況や利用しているサービスの内容等によって市町村が定める期間ごとに行われ、少なくとも6ヶ月に1回以上は実施される。

障害福祉事業のサービス利用を停止するには?

障害福祉事業を利用する際には、必ず、事業所と「契約書」を最初に結んでいる。その内容に、「契約の終了」といった項目が設けられているので、その記載事項に準じて、事業所へ意向を申し出れば手続きが開始される。

その際、契約をしている相談支援事業所の職員とも面談が必要で、書類のためのサインや印鑑が必要となる。

退所手続きの書類は事業所や相談支援事業所から行政に提出され、退所完了となる。

辞めるのを引き留められる時の対処法は…?

職員に引き止められる場合は、契約書を市役所の障害福祉課や相談支援事業所に持っていき、辞められるか確認すると良い。

また、事業所とのやり取りは、メールや文書を通して行い、記録として残しておくと良い。