【2021年】社会福祉士国家試験の合格率は?難易度が高いとされる理由

福祉の仕事をしたい方コラム

社会福祉士の主な仕事は日常生活を送るのが難しいお年寄りや障害のある方などから相談を受け、助言や指導を行うことです。

社会福祉士になるには、社会福祉士国家試験に合格して国家資格を取得する必要があります。

社会福祉士国家試験は難関とされていますが、実際の合格率はどのくらいなのでしょうか。

この記事では、社会福祉士国家試験受験資格や合格率、難易度が高いとされる理由などを紹介します。

 

社会福祉士国家試験の受験資格

社会福祉士国家試験の受験資格を取得するには、大きく分けて3つのルートがあります。

  1. 福祉系大学・短大等で指定科目を履修して卒業する(短大等の場合、卒業後に相談援助業務への従事が必要)
  2. 社会福祉士短期養成施設等(6月以上)を卒業(修了)する
  3. 社会福祉士一般養成施設等(1年以上)を卒業(修了)する

2と3のルートについてはこの前段階も複数のルートがあるので、受験資格別に必要な学歴や実務経験をチェックして、ご自身がどのルートなら資格取得が可能か確認しておきましょう。

詳しくはこちら↓
社会福祉士国家試験/受験資格(資格取得ルート図)

 

2021年(第33回)社会福祉士国家試験の合格率

勉強する女性

2021年2月7日に「第33回社会福祉士国家試験」が実施されました。
全体の合格率や大学別合格率・合格者数ランキング、合格率推移について詳しく紹介します。

 

全体の合格率

第33回社会福祉士国家試験の受験者数は35,287人、そのうち合格者数は10,333人でした。

全国平均合格率は29.3%となっています。

 

大学別合格率・合格者数ランキング

続いて、第33回社会福祉士国家試験の合格状況をチェックしてみましょう。

福祉系大学等(4年・指定科目履修)ルートについて、新卒・既卒を合わせた場合での合格率・合格者数ランキングTOP5を紹介します。

 

【大学別合格率TOP5(受験者10人以上)】

順位 大学名 合格率(受験者数)
総数 新卒 既卒
1位 大分大学 89.5%(38人) 97.1%(35人) 0.0%(3人)
2位 東京都立大学 89.5%(19人) 93.8%(16人) 66.7%(3人)
3位 徳島大学 87.5%(16人) 93.3%(15人) 0.0%(1人)
4位 新潟大学 82.6%(23人) 82.6%(23人) 0.0%(0人)
5位 大阪市立大学  81.8%(11人) 90.0%(10人) 0.0%(1人)

 

【大学別合格者数TOP5】

順位 大学名 合格者数(受験者数)
総数 新卒 既卒
1位 日本福祉大学通信教育部 698人(1,844人) 487人(851人) 211人(993人)
2位 日本福祉大学 170人(702人) 119人(258人) 51人(444人)
3位 日本社会事業大学 144人(359人) 119人(213人) 25人(146人)
4位 東北福祉大学 136人(425人) 110人(208人) 26人(217人)
5位 東北福祉大学通信教育部 125人(390人) 80人(148人) 45人(242人)

参考:http://www.jaswe.jp/doc/20210315_33shakai_happyou.pdf

既卒の方が新卒よりも受験者数が多く、けれども、新卒の方が合格者数が多いという学校がほとんどです。
働きながら勉強し、受験に挑戦している方が多いと思われるので、それだけ社会人の合格が難しいことがわかります。

 

社会福祉士合格率推移

社会福祉士国家試験は1989年(平成元年)に第1回が実施され、受験者数1,033人のうち合格者数180人、合格率17.4%でスタートしました。

近年の受験者数は3万5千人〜4万5千人程度、合格率は20〜30%程度で推移しています。

過去10年間の社会福祉士国家試験の受験者数・合格者数・合格率をチェックしてみましょう。

 

【第24回(2012年)〜第33回(2021年)までの受験者数・合格者数・合格率】

第24回

(2012年)

第25回

(2013年)

第26回

(2014年)

第27回

(2015年)

第28回

(2016年)

受験者数 42,882人 42,841人 45,578人 45,187人 44,764人
合格者数 11,282人 8,058人 12,540人 12,181人 11,735人
合格率 26.3% 18.8% 27.5% 27.0% 26.2%

 

第29回

(2017年)

第30回

(2018年)

第31回

(2019年)

第32回

(2020年)

第33回

(2021年)

受験者数 45,849人 43,937人 41,639人 39,629人 35,287人
合格者数 11,828人 13,288人 12,456人 11,612人 10,333人
合格率 25.8% 30.2% 29.9% 29.3% 29.3%

※大学・短大・専門学校などを含んだ総数です。

参考:http://eic.obunsha.co.jp/eic/pdf/kokushi/2021/0407_2.pdf

第30回より受験者数は減少していますが、合格率は30%前後と上がっています

 

合格率が低い・難易度が高い理由

悩む女性

社会福祉士国家試験の合格率は低い傾向にあり、難易度が高い資格試験といえるでしょう。

これから受験する人は、合格が難しい理由や合格するためのコツをチェックして試験に備えましょう。

 

出題範囲が広い

社会福祉士国家試験の試験科目には精神保健福祉士国家試験との共通科目と専門科目があり、出題範囲が19科目(18科目群)と幅広いのが特徴です。

合格基準は正解率6割程度(問題の難易度で点数の補正あり)で、すべての科目(18科目群)で1点以上得点を取らなければなりません。

苦手科目を得意科目でカバーすることができないため、全科目をきちんと勉強していないと合格が難しくなります。

科目内容は以下の通りです。

 

【出題科目・出題数】

共通科目(科目数11)
人体の構造と機能及び疾病 7問
心理学理論と心理的支援 7問
社会理論と社会システム 7問
現代社会と福祉 10問
地域福祉の理論と方法 10問
福祉行財政と福祉計画 7問
社会保障 7問
障害者に対する支援と障害者自立支援制度 7問
低所得者に対する支援と生活保護制度 7問
保健医療サービス 7問
権利擁護と成年後見制度 7問

※精神保健福祉士の資格者は、共通科目は免除されます。

 

専門科目(科目数8)
社会調査の基礎 7問
相談援助の基盤と専門職 7問
相談援助の理論と方法 21問
福祉サービスの組織と経営 7問
高齢者に対する支援と介護保険制度 10問
児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 7問
就労支援サービス 4問
更生保護制度 4問

※就労支援サービスと更生保護制度で1つの科目群です。

 

社会人は特に勉強不足になりがち

社会福祉士国家試験に限らずですが、受験までに勉強が足りず、合格できないこともあるでしょう。

社会福祉士国家試験の合格を目指すなら、勉強時間は300時間が目安とされています。ですが、働きながら試験勉強をする社会人は特に勉強不足になりがちです。

苦手科目が多い場合は、余裕を持って試験勉強をしないと時間が足りなくなることも少なくありません。

 

モチベーションを保てない

出題範囲が広い社会福祉士試験は長期的な勉強が必要になるため、モチベーションを保ちにくいのも合格が難しい理由のひとつです。

十分に勉強時間があっても、効率的に勉強できなければ無駄になってしまいます。

集中する時間と息抜きする時間を適度に作り、やる気を維持することが受験対策の重要なポイントになるでしょう。

 

合格するためのコツ

社会福祉士国家試験に合格するコツ勉強方法には、以下のようなものがあります。

  • 隙間時間などを活用しながら長期的に計画を立てて勉強を進める
  • 過去問や問題集は繰り返し解き、解説を読み込む
  • 苦手科目は重要度の高い部分を覚えて、基礎を理解する
  • 最新の問題集を使用する(法改正などがあるため)

独自の勉強法での受験に不安がある人は、社会福祉士国家試験対策講座を実施しているスクールを利用するのもおすすめです。

試験対策指導やサポートを受けることができ、モチベーションも保ちやすくなります。

大学によっては、国家試験対策講義模擬試験を実施する国家試験対策室を設置しているケースがあり、その大学の卒業者も受講可能な場合があるので、確認してみましょう。

 

第34回(2022年)社会福祉士国家試験概要

第34回(2022年)に実施される社会福祉士国家試験の受験申し込み方法や日程、受験地について、予定されている内容を紹介します。

 

受験申込書受付期間・申し込み方法

第34回社会福祉士国家試験の受験申込書受付期間と、申し込み方法は以下の通りです。

 

  • 受験申込書受付期間
    2021(令和3)年9月9日(木)〜10月8日(金)※消印有効
  • 申し込み方法
    はじめて受験を申し込みする人は、事前に「第34回社会福祉士国家試験『受験の手引』」を請求し、受付期間内に受験申込書や必要書類を郵送で提出する必要があります。
    請求窓口は8月上旬に開設され、「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」のホームページまたは郵便はがきで請求できます。
    請求してから届くまでに数日かかるため、受付期間がスタートしたら余裕を持ってなるべく早めに請求しましょう。
    なお、過去に受験申し込みをしたことのある方で、受験票の受け取りおよび確定した証明書の提出をした方は、受験の手引を取り寄せることなく、インターネットで受験申し込みが可能です。

詳しくはこちら↓
第34回(令和3年度)受験申し込み手続き(予定)

 

試験日・合格発表日

第34回社会福祉士国家試験の試験日・合格発表日は以下の通りです。

【試験日】
2022(令和4)年2月6日(日)

【合格発表日】
2022(令和4)年3月15日(火)

 

試験地(24箇所)

第34回社会福祉士国家試験は、以下の24箇所で実施されます。

【北海道・東北】

  • 北海道
  • 青森県
  • 岩手県
  • 宮城県

【関東】

  • 埼玉県
  • 千葉県
  • 東京都
  • 神奈川県

【甲信越・北陸】

  • 新潟県
  • 石川県

【東海】

  • 岐阜県
  • 愛知県

【近畿】

  • 京都府
  • 大阪府
  • 兵庫県

【中国・四国】

  • 島根県
  • 岡山県
  • 広島県
  • 香川県
  • 愛媛県

【九州・沖縄】

  • 福岡県
  • 熊本県
  • 鹿児島県
  • 沖縄県

 

社会福祉士の資格を活かしてサビ管取得

サビ管

社会福祉士の資格を持っていると、生活相談員や生活支援員などの求人で応募できるものが多いです。

また、障害福祉サービスを提供する事業所のほとんどで必ず配置しなければならない、サービス管理責任者(サビ管)の資格を取得しやすくなります。

サービス管理責任者の資格を得るには試験を受ける必要はありませんが、実務経験の条件を満たし、研修を受ける必要があります。

社会福祉士の資格を持っている方は、その必要な実務経験の期間が短く済むのです。

社会福祉士の資格をお持ちで、どう活かすかを悩んでいる方は、サビ管の取得を考えてみてはいかがでしょうか。

サービス管理責任者はその名の通り、管理する側の立場で、利用者に提供するサービスの計画を立て、相談に乗り、スタッフの指導にあたりします。

サービス管理責任者の配置義務があるサービスのひとつに障がい者グループホームがあります。障がいのある方が自立を目指して共同生活を送るのをサポートするサービスです。

障がい者グループホームの中でも全国に拠点を増やしている「わおん」は、保護犬や保護猫と一緒に生活できるとあって人気を集めています。

転職を検討している方は「わおん」を候補に入れませんか?

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