愛知県 わおんグループホーム岡崎 柱3丁目、伊賀愛宕下、伊賀、赤渋袖広

わおん参画企業からの声

今回は「わおんグループホーム岡崎」を運営する、大野精工株式会社 福祉事業部 鈴木さんにインタビューを行いました。
2019年9月、愛知県岡崎市に1棟目のグループホームを開設してから約9ヶ月間で計4棟をオープン。その開設ストーリーに迫ります!

 

グループホーム概要

企業名/事業所 大野精工株式会社 /  わおんグループホーム岡崎
エリア 愛知県岡崎市
開設棟数 4(男性棟2、女性棟2)
開設日 女性棟(愛知県岡崎市)2019年9月 、2020年4月

男性棟(愛知県岡崎市)2019年10月(2棟同時開設)

居室数 女性棟 6室、4室

男性棟 4室、3室

入室状況 男性棟 4   女性棟 7  2020年6月11日時点
対象障がい者 精神障がい者、知的障がい者

わおんグループホーム岡崎 柱3丁目棟

わおんグループホーム岡崎 伊賀愛宕下棟

わおんグループホーム岡崎 伊賀棟

わおんグループホーム岡崎 赤渋袖広棟

 

「わおんグループホーム岡崎」について  

●グループホームの特徴を教えてください

「自立」に向けた支援の一環として、利用者さんが日中に就労できるよう、地元就労支援事業所と連携して、入居者本人の希望に添った事業所を紹介しています。

 

「わおんグループホーム岡崎」(女性棟)玄関には、就労支援事業所の案内資料がずらっと並ぶ

 

アニスピHD、わおん・にゃおん事業について 

●アニスピとの出会い

2019年3月に、東京ビッグサイトで開催された企業展で当社の会長が「わおん」のブースを通りかかったことです。
当社は、製造業(切削・研削加工)をメイン事業としていますが、デイサービスやエステティックサロン、農園カフェなど他業種にも参入しており、常に会長自らがアンテナをはり、新しい事業展開を模索しております。情報収集のために企業展へもよく足を運んでいます。

 

●参画を決めたポイント

もともと興味を持っていた2つのことが、「わおん」によって同時に叶えられると考えたからです。
1つ目は、犬猫の殺処分問題です。大の動物好きの会長は以前から、犬猫の殺処分のことを気にかけており、携帯で、よく保護犬サイトを見ていました。
2つ目は、障がい者福祉です。障がい者の福祉状況を調べるため、2019年の初めに、岡崎市役所を訪問した際に、「障がい者の働き口はあるが、住む場所が不足している。障がい者福祉としてグループホームを運営してもらいたい」と提案され、「やろう!」ということになりました。

行政に後押しされたのち、企業展で偶然的に「わおん」事業に出会いました。「わおん」との出会いは、奇跡的なタイミングでもあり、すぐに参画を決めました。

 

障がい者グループホームの開設について     

 ●開設の目的は?

動物の殺処分減少と障がい者福祉への貢献です。地域になくてはならない存在として、地域共生の実現を目指しています!

元銀行員からキャリアチェンジを果たした、大野精工 福祉事業部、鈴木さん。入社当初は経理部に配属。バイタリティ溢れる才能を認められ、福祉事業部へ異動。当事業部をゼロから立ち上げ、今後は事業拡大にも目を向けている。

 

●参画されて約1年で4棟オープンは、すべて順調でしたか?

・・・それが、色々とありましたね。実は、幻の1棟目がありました。(苦笑)

賃貸物件を借りて改装も終わり、明日からオープンできるという段階まできたところで、近所の方々からの猛反発を受け、やむなく中止した経緯があります。説明会では、〝誰に許可をもらっているんだ〟、〝障がい者がここに住むのか〟、〝何かあったら対処できるのか〟などの声を多くいただき、全くもって同意は得られませんでした。障がい者のためのグループホーム施設ができることは理解できても、メディアで報道されるような障がい者へのイメージが強く、自分の隣に住むとなると、ネガティブな意見ばかりでした。

法的には制約がないのでそのまま推し進めることは可能でしたが、近隣の方々からの理解がなければ、利用者さんへのいじめ、スタッフが気持ちよく働けなくなるということを懸念し、中止の決断に至りました。

苦い経験となりましたが、とてもいい勉強になりました!

その後、物件を借りる前には、あらかじめ地域の方々とお話させていただいたり、賃貸オーナーさんの理解をいただくことに重点をおきました。事業を運営していくうえで、地域の方の理解を醸成する重要さを感じております。

幻の1棟目の中止は会社として大きな決断ではありましたが、「前へ」という社訓のごとく、会長がその後も諦めず進もうと言ってくださったことは、いまでも思い出す度に胸が熱くなり涙が出てきますね。

 

●準備段階のエピソードはありますか?

事業所番号をいただくまでの申請が大変でしたね。2棟目以降は申請が簡易になるので、とにかく1棟目立ち上げまでは苦労しかなかったです。多くの細かい点がわからないままでスタートしましたので、チャットワーク(コミュニケーションツール)で、わおんスタッフに質問攻めでしたね。(笑)

特に苦労したことは、物件選定です。地域によって大きく違いがあると思いますが、当社が運営する地域は、戸建ての賃貸物件が少なかったです。その中から、「適正物件・ペット可・オーナーからの事業利用可」などの条件を見つけることは容易ではなかったです。1棟目を立ち上げながらも、2棟目、3棟目の物件を探すために、毎日ネットで不動産情報を見ていました。

もともと、藤田さんが説明されていた、「空き家活用」の重要さに共感していたので、一軒家にこだわっていました。

 

●スタッフの確保は?

まずは、求人サイトのインディードで募集しました。その後は、口コミで広がり、直接問い合わせをいただいたり、紹介いただいたりしました。申請を提出する段階で、履歴書や雇用契約書の提出が求められるため、まずはスタッフの確保が必要ですが、その時点で入居者が決まっていなかったため、本来の業務ではなく、清掃や細かい準備など、短時間シフトをお願いする期間がありました。スタッフの繋ぎ止めやモチベーションを保つことにも苦労しました。

 

障がい者グループホームの運営について

●運営している中で心掛けていること

3つあります。一つ目は、生活力の向上です。入居者たちの自立に向けた支援の中でも、小遣い帳のつけ方や洗濯機の使い方など、1人暮らしをしても困らないように能力と知識の向上を意識しています。2つ目は、各個人の尊厳やプライバシーを尊重して、それぞれの特性に合わせた支援です。3つ目は、入居者に対して〝障がい者〟扱いをしないことです。1人の人間として正面から向き合うので、時には本気で叱ったりすることもあります。

わおんグループホーム岡崎 インスタグラム(waon_okazaki)より

男性棟の利用者さんと社長のお話し会。社長は凄腕空手家ですが、気さくな性格で初対面の利用者さんとも、すぐに打ち解けているようです。

 

今後の目標 

2020年6月現在で、4棟合計居室数17名中、11名に入居いただいています。まずは、満床を目指して、多くの方を支援したいです。そして、うちのグループホームを卒業して一人暮らしできました!という利用者が出てくれたら嬉しいですね!

 

事業を検討されている方へ一言

新事業をスタートし開設することは多くの課題があり、正直大変です。でも、それを乗り越えた時のやりがいや、新しい発見、出会いは、事業の成長にも繋がります。失敗を恐れず前へ進むことは、とても楽しく充実しています!

福祉事業部の鈴木さん(左)とサービス管理責任者の野崎さん(右)と保護犬のマーニーちゃん

大野精工株式会社 社屋

 

サービス管理責任者 野崎さんのインタビューはこちら