児童発達支援管理責任者・サービス管理責任者になるための研修|実施例紹介

福祉の仕事をしたい方コラム

さまざまな福祉関係の仕事の中で、子どもたちの力になれる仕事がしたいという方も大勢いるでしょう。

児童発達支援管理責任者」は、障害児の保育や養育を支援する専門職です。

また、平成31年度の改定でサービス管理責任者として勤務することも可能になりました。

この記事では、児童発達支援管理責任者になるための必須要件である研修の内容を中心に紹介していきます。

 

児童発達支援管理責任者とは

「児童発達支援管理責任者」の立ち位置、役割は以下です。

 

障害児の保育・療育に関わるリーダー的な専門職

通称「児発管」とも呼ばれる「児童発達支援管理責任者」。児童発達支援センターや知的障害児施設といった支援施設で障害児の保育・療育に関わるリーダー的な専門職です。

サービス提供の根幹となる存在のため、1名以上配置することが義務づけられています

この資格の保有者はさまざまな児童福祉法にかかわる施設で働くことができます。

 

果たす役割

児童発達支援管理責任者は、児童やその家族に対する支援のほか、現場スタッフへの指導、アドバイスも行う包括的な役割を担う存在です。

現場におけるリーダー的立場のため、ある程度の現場経験を持つ人が次のステップとして資格取得を目指すケースが多くみられます。

それぞれの利用者に合わせた「個別支援計画書」を作成し、それに沿った支援が現場で行われるように管理する役割なので、児発管には十分な知識と経験が求められるのです。

 

児発管の職務詳細

児童発達支援管理責任者

児発管の具体的な職務内容は以下になります。

 

仕事のメインは個別支援計画書の作成

児童発達支援管理責任者がメインとする職務は「個別支援計画書」の作成です。

個別支援計画書とは、支援サービスを利用する児童一人ひとりの障害の状況、解決すべき課題に合わせて支援の方針を決め、実行すべき支援を記していくものです。

家族から聞き取りした要望も踏まえて目標を決めます。

この個別支援計画書に則って実際の支援が提供されます。支援の根本を形作るのが児童発達支援管理責任者だと考えると、その役割が重要なことがわかるでしょう。

 

アセスメント・モニタリング

利用者である障害児の現状を的確に分析し、支援計画書づくりの参考にする「アセスメント」や、支援計画書にもとづくサービスが本当に適切かをチェックし、見直しの検討材料にもする「モニタリング」も児発管の重要な役割です。

 

他施設との連携・スタッフの指導

児童の通う学校と連携を図ったり保護者からの相談を他施設へとつなげたりするのも児発管の役目です。

また、よりよいサービスを提供するためにスタッフへの指導や助言を行い、組織をまとめあげるのも児発管の重要な役割です。

https://anispi.co.jp/etc/post-3319/

 

児童発達支援管理責任者の勤務先

児童発達支援管理責任者の資格を活かせる現場は児童福祉法で定められた「通所施設」あるいは「入所施設」の2タイプに分けられます。

 

障害児通所支援

身体に障害のある児童知的障害・精神障害のある児童が対象。
通所する利用者の日常生活のサポート集団生活への適応訓練、施設によっては医療サービスを提供する保育所に通う障害児の支援含まれる。

  • 児童発達支援センター
  • 放課後等デイサービス
  • 児童発達支援事業類型
  • 医療型児童発達支援
  • 居宅訪問型児童発達支援
  • 保育所等訪問支援

 

障害児入所支援

重度・重複障害児被虐待児が対象。
障害の特性に合わせた日常生活の支援自立支援医療型施設では治療なども行う。

  • 知的障害児施設
  • 第一種自閉症児施設・第二種自閉症児施設
  • 盲児施設
  • ろうあ児施設
  • 肢体不自由児施設
  • 医療型障害児入所施設

 

児童発達支援管理責任者の必要研修

オンライン研修

児童発達支援管理責任者になるための必須要件、実務経験と研修について説明します。

なお、平成31年の改正によって、児発管の研修カリキュラムはサビ管と共通になりました。
したがって、「サービス管理責任者等基礎研修」などとまとめて呼ばれることもあるので覚えておきましょう。

 

基礎研修を受けるために必要な実務経験

児童発達支援管理責任者になるための第一歩は、基礎研修を受けることです。
ただし、研修の受講要件として下記のいずれかの実務経験を有している必要があります。

  • 直接支援業務 6年
  • 相談支援業務 3年
  • 社会福祉主事任用資格等を有する者による直接支援業務 3年
  • 国家資格等有資格者による相談および直接支援 1年

※実務経験詳細は下記3Pを参照
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/sakan.files/jissiyouko.pdf

 

基礎研修の前に「相談支援従事者初任者研修」を一部受講

児発管への第一歩は「基礎研修の受講」としましたが、実はその前に「相談支援従事者初任者研修」の講義を一部受講しなければなりません。

自身が従事する都道府県の研修日程を調べ申し込みましょう。

 

下記、広島県の例のように、新型コロナウイルス感染症の影響により、オンライン形式の講義が多いです。https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/62/syokougi02.html

 

「児童発達支援管理責任者基礎研修」を受講

相談支援従事者初任者研修の対象カリキュラムの受講が修了したら、いよいよ基礎研修です。

標準的なカリキュラムは

  • 児童発達支援管理責任者の基本姿勢およびサービス提供のプロセスにまつわる講義(7.5時間)
  • サービス提供プロセスの管理にまつわる演習(7.5時間)

こちらで構成されており、合計15時間の研修を受けることになります。

※標準カリキュラム例は下記10Pを参照https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/sakan.files/jissiyouko.pdf

 

基礎研修修了で「第二の児童発達支援管理責任者」になれる

児発管として正式に配置されるには、基礎研修修了後2年以上の実務経験を積んだうえで実践研修を修了しなければなりません。

ただし、勤務先の指定障害福祉サービス事業所等にすでに児童発達支援管理責任者が配置されている場合は、第二の児発管として働けます。個別支援計画の原案を作成することができるのは大きなポイントでしょう。

 

「児童発達支援管理責任者実践研修」の修了で正式配置

基礎研修修了後、過去5年間に2年以上の実務経験(指定障害福祉サービス事業所などでの相談支援or直接支援)を有していれば実践研修を受講できます。

※ただし、基礎研修を受ける前の実務経験もあわせて、障害者福祉の分野での3年以上の実務経験(老人福祉施設・医療機関などを除く)が必要です。

実践研修の修了で、晴れて児発管として正式配置が可になります。

なお、実践研修の標準的なカリキュラムは

  • 障害福祉の動向にまつわる講義(1時間)
  • サービス提供にまつわる講義および演習(6.5時間)
  • 人材育成の手法にまつわる講義および演習(3.5時間)
  • 多職種および地域連携にまつわる講義および演習(3.5時間)

以上で構成されており、合計14.5時間の研修になります。

※標準カリキュラム例は下記11Pを参照
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/sakan.files/jissiyouko.pdf

 

5年ごとに「児童発達支援管理責任者更新研修」を受講

児発管として勤務を続けるためには、実践研修修了後、更新研修を5年ごとに受講しなければなりません。

対象者は実践研修修了後、以下の状態にある人です。

  • 児童発達支援管理責任者もしくは管理者として指定障害児入所施設などで働いている人、さらに指定障害児相談支援事業所にて相談支援専門員として勤務している人で、指定障害児入所施設などで児童発達支援管理責任者として勤務中、または勤務しようとする人
  • 更新研修の受講開始日前5年間の中で、上記の実務に通算2年以上従事していた人で、指定障害児入所施設などで児童発達支援管理責任者として勤務中、または勤務しようとする人

詳細は下記4Pを参照
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/sakan.files/jissiyouko.pdf

標準的なカリキュラムの内容は以下の通りです。

  • 障害福祉の動向にまつわる講義(1時間)
  • サービス提供の自己検証にまつわる演習(5時間)
  • サービスの質の向上と人材育成のためのスーパービジョンにまつわる講義および演習(7時間)※平成 35 年度までは省略可

詳細は下記12Pを参照
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/sakan.files/jissiyouko.pdf

なお、各研修は地域性や受講者の要望によっては時間数や科目数が増える可能性があります。

また、サービス管理責任者の各研修とカリキュラムが共通なので、各自治体では同一日程で行う場合がほとんどです。

 

【自治体別】児童発達支援管理責任者研修の実施例

ここでは、各自治体の児発管関連の研修実施例を紹介します。
実務経験証明書の提出などが必要な自治体もあるため、受講申込の際はしっかり募集要項をチェックしておきましょう。

また、今後開催予定の研修については情勢により変更になる可能性があります。
そのため必ず公式HP等で随時情報を確認しましょう。

 

【2021年度】北海道

【研修期間】※2021年4月29日時点で応募可能な日程
サービス管理責任者等

〈基礎研修〉 

  • 2021年7月8日~7月26日※AからD日程まであり(応募期間 2021年5月7日~5月20日)
  • 2021年8月5日~8月23日※AからD日程まであり(応募期間 2021年6月4日~6月17日)
  • 2021年12月16日~12月17日(応募期間 2021年10月15日~10月28日)

〈実践研修〉

  • 2021年10月19日~10月20日(応募期間 2021年8月20日~9月2日)
  • 2021年11月18日~11月19日(応募期間 2021年9月17日~9月30日)

〈更新研修〉

  • 2021年9月6日(応募期間 2021年7月9日~7月22日)
  • 2022年1月13日、18日、20日、27日(応募期間 2021年11月12日~11月25日)
  • 2022年2月3日、10日、17日、24日(応募期間 2021年12月3日~16日)
  • 2022年3月3日、10日、17日、24日(応募期間 2022年1月7日~20日)

【研修方式】

基礎研修・更新研修はオンライン(Zoom)、一部日程は会場。
実践研修は会場にて実施。

募集要領詳細はこちら
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/shf/sabikan/boshyu.htm

 

【2021年度】東京都

【研修期間】
サービス管理責任者基礎研修及び児童発達支援管理責任者

〈基礎研修〉

  • 第1回

講義 2021年7月下旬
演習 2021年8月上旬から9月下旬の間(2日間)
申込期間 2021年5月11日~5月25日

  • 第2回 

講義 2021年11月中旬
演習 2021年11月下旬から12月中旬の間(2日間)
申込期間 2021年8月頃受付開始予定

〈実践研修〉
講義・演習 2021年12月中旬から3月上旬の間(3日間)
申込期間 2021年9月頃より受付開始予定

〈更新研修〉
講義 2022年1月中旬
演習 2022年2月上旬から3月上旬の間(1日間)
申込期間 2021年10月頃受付開始予定

【研修方式】
サービス管理責任者基礎研修及び児童発達支援管理責任者基礎研修はオンライン。
実践研修は3日間のうち1日はオンライン講義。
更新研修の講義はオンライン。

募集要領詳細はこちら
https://soukensui-kanto.com/page/bizinfo/2/4/20/ (PDFファイルで年間スケジュールDL可)https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/shogai/sakan.html

 

【2020年度】埼玉県

【研修期間】※2020年実施例
〈サービス管理責任者等基礎研修開催日程〉

  • 相談支援従事者初任者研修(講義部分)2日間
  • 講義 2020年11月頃 1日間
  • 演習 1日間

【研修方式】
初任者研修と講義はいずれもWEB開催
演習のみ会場での開催

募集要領詳細はこちら
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0605/sabikan01.html

 

【2020年度】千葉県

【研修期間】※2020年実施例
サービス管理責任者基礎研修・児童発達支援管理責任者 

〈基礎研修〉

  • 講義 2020年9月1日~9月4日
  • 演習 2020年9月~2021年1月の間
  • 申込期間 2020年7月3日~7月27日

※あわせて「相談支援従事者初任者研修」の講義を2日間実施

〈実践研修〉
※令和4年度より実施予定

〈更新研修〉
講義および演習 2021年3月8日~3月23日(8日程)
申込期間 2021年1月6日~1月22日

【研修方式】
基礎研修の講義はオンライン配信

募集要領詳細はこちら
https://www.pref.chiba.lg.jp/shoji/kenshuu/index.html#soudan-etc

 

【2020年度】神奈川県

【研修期間】※2020年実施例
サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者

〈基礎研修〉

  • 講義(1日)はオンラインにて配信
  • 演習(1日)はAグループ(2020/3/17)、Bグループ(3/18)に分散して開催

〈更新研修〉
講義と演習(1日)を3月19 日、22 日、23 日で会場にて実施 

募集要領詳細はこちら
https://www.rakuraku.or.jp/shienhi/liblary/L_Result2.asp?category=127&topid=4

 

【2021年度】茨城県

【研修期間】
サービス管理責任者等
〈基礎研修〉
講義

  • 3日間コース 基礎研修講義の動画視聴(2日間)後レポート提出
  • 5日間コース サービス管理責任者等研修受講資格取得研修(2日分)および基礎研修講義の動画視聴(2日間)後レポート提出

演習
2021年10月19日~2022年3月25日 (日程A~Hのいずれかに振り分けられる)

〈更新研修〉
2021年 8月2日、3日、9月27日、28日のいずれか(募集終了)
※事前課題あり

【研修方式】
基礎研修の講義は動画視聴、演習はZoomによる参加型オンライン受講
更新研修はZoomでのオンライン研修

募集要領詳細はこちら
http://www.harness.jp/information-1.html

 

【2021年度】大阪府

【研修期間】
サービス管理責任者等

〈基礎研修〉

  • 2021年10月中旬~12月3日(申込期間 2021年6月29日~7月15日)
  • 2021年11月30日~2022年2月10日(申込期間 2021年9月10日~9月27日)

〈実践研修〉

  • 2021年12月中旬~2022年2月18日(申込期間 2021年9月上旬から9月中旬)
  • 2022年2月4日~3月16日(申込期間 2021年11月11日~11月30日)

〈更新研修〉

  • 2021年12月14日~2022年3月11日(申込期間 2021年8月3日から8月20日)

【研修方式】
各実施事業者の要項参照
※研修事業者は、社会福祉法人 大阪府社会福祉事業団や大阪府障害者福祉事業団、一般財団法人 大阪府地域福祉推進財団

募集要領詳細はこちら
http://www.pref.osaka.lg.jp/chiikiseikatsu/shogai-chiki/sabikankensyu.html

 

【2021年度】福岡県

【研修期間】
〈サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者基礎研修(前期)〉※募集終了
1日目 遠隔講義 2021年5月24日~5月28日・6月28日~7月2日・7月26日~7月30日
2日目 講義・演習 6月9日~8月10日の間で第1回~9回まで開催。日程の選択は不可

【研修方式】
1日目の遠隔講義はeラーニングを利用
2日目は会場にて実施

募集要領詳細はこちら
https://www.facsw.or.jp/news/13180

 

【2020年度】鹿児島県

【研修期間】※2020年実施例
〈サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者基礎研修〉
共通(講義) 2020年9月10日~16日
基礎1(演習)2020年10月5日、10月7日
基礎2(演習)2020年10月8日~10月9日
基礎3(演習)2020年11月24日~11月25日
基礎4(演習)2020年12月3日~4日 

サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者更新研修
更新1 2020年9月11日
更新2 2020年10月28日
更新3 2020年12月23日

【研修方式】
指定会場にて実施

募集要領詳細はこちら(鹿児島県社会福祉協議)
http://www.kaken-shakyo.jp/kenshu/2-sabikan/r101_syogaihukusijinzai.html

 

児童発達支援管理責任者の資格が活かせる「わおん」

寝転ぶ犬

障害者グループホーム「わおん」は、主に軽度の知的障害・精神障害のある方が共同で地域生活を送る場です。わおんの特徴は保護犬・保護猫も一緒に暮らしていることで、利用者へのアニマルセラピー効果も期待できます。

全国各地で増えている障害者グループホームはサービス管理責任者(サビ管)の配置が必須です。わおんでも全国各地にある施設でサービス管理責任者を募集しています。

児発管になるための実務経験・研修内容は基本的にサビ管になるための要件と共通します

そのため、児発管として実務経験のある方はサビ管としても働けます

新たな活躍の場を探している方は、わおんで働いてみませんか?

https://anispi.co.jp/waon/recruit/