季節性感情障害(SAD)の季節です

コラム

秋の終わりから冬にかけては、ジメジメした季節です。精神障害を患っている人の中には寒い季節になると普段以上に症状が出たり苦しんだりする人がいます。今回は季節の変わり目はなぜ身体に影響を与えるのか、季節性情動障害やその対処法について紹介します。

まず始めに、季節性情動障害(SAD)は秋の憂鬱だけではないということです。また、精神医学的には、それ自体で診断名にはならないらしいです。国際疾病分類第10版(ICD-10)によると、大うつ病や双極性感情障害の「経過の特徴」とされています。しかし、バイオリズムの正常な変化や冬の無気力感を指して、「季節性情動障害」という言葉が使われることが多いようです。そのため、薬や医師の助けが必要な深刻な精神疾患であると誤解されてしまうのです。

秋から冬にかけて、健康な人はどうなっているのでしょうか?人間をはじめ温血動物は、生命機能の季節的変動が一般的なものです。動物も人間も、冬場は代謝や運動量の減少、春から夏にかけてはアクティブな活動化が見られます。人は寝食が少しずつ乱れ始め、朝起きるのが億劫になり、ベッドに長くいたくなるものです。また、曇り空や夜が長いと、機嫌が悪くなったり、口うるさくなったりするものです。ほかに、冬は日照時間が短いので、悲しい気持ちや怠い気持ちになるのは変ではありません。やがて、多くの温血動物が寒い季節の眠れぬ眠りにつくという。

睡眠時間が長い、目覚めの悪さ、過食(特に炭水化物を多く含む食品)、太り過ぎなど、うつ病には異なる深刻な症状があります。さらに、季節性感情障害の人は、エネルギーが不足し、集中できず、始めたことを終わらせることが難しく、友人や家族、人付き合いから遠ざかってしまいます。その結果、悲観、郷愁、絶望、人生の楽しみの欠如などが生じ、特に冬にSADを患う患者さんに特徴的です。しかし、秋冬の「対極」に比べれば、春や夏の季節性情動障害は、その様子が異なります。不眠、不安、イライラ、食欲減退、体重減少などがここにリストアップされています。

主な改善策としては、日光浴、スポーツ、食事や睡眠の取り方、人付き合いなど、最もシンプルなものが挙げられます。SADやSSADの友人や親類がいる人は、たとえその人が接触を求めないとしても、注意と愛情が必要であることを知っておくことが大切です。季節性感情障害(軽症型)は、専門医にかかるよりも、自宅で治療することがほとんどです。

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季節性落ち込みの予防には、次のように工夫してみてください。

1.定期的に運動する。

体を動かすことは、季節性情動障害を含むあらゆるタイプのうつ病の気分を改善し、対処する方法として、科学的に証明されている方法のひとつです。スポーツは、悲しみを取り除く物質であるエンドルフィンを分泌させる効果があります。ルームランナーで10分、ウォーキングで30分でも大きな効果があるという研究結果があります。また、季節性情動障害に対する運動の効果については、身体活動の時間や強度よりも、一貫性や規則性がはるかに重要です。簡単な散歩や運動、ヨガ、ダンスなどから始めるとよいでしょう。

 

2.睡眠衛生を守る。

同じ時間に就寝し、テレビ画面の前での長時間の作業や電子機器の使用は避ける。カフェイン、アルコール、重い食事は寝る前には控えた方がよいでしょう。ハーブティーを飲んだり、良い本を読んだりすることを検討してください。

 

3.太陽の下にいる時間を増やす。

寒くても、晴れていても、散歩に行く。カーテンやブラインドを開けて、日差しを多く取り入れるようにしましょう。

 

4.たくさん笑って、前向きな人とコミュニケーションをとる。

大人は真面目で夢中になる傾向があります。しかし、笑いには驚くべき健康効果があることを忘れてはならない。免疫やホルモン系を改善し、気分を高めて幸せにしてくれる。好きなコメディを見る、子供やペットと遊ぶ、友人と会う、コメディショーに参加するなど、どれも人の気分やエネルギーに良い影響を与えるものです。

 

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年末年始のご準備にお忙しいかと思いますが、健康にはくれぐれもご留意ください。