障害者グループホームの対象者とは

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対象者は虐待されている15歳から亡くなるまで!|障害者の高齢化と障害者グループホームのニーズの拡大

 

グループホームの歴史

グループホームは、18世紀のイギリスで始まりでした。まず、精神障害のある方が対象でした。有名なのは、スウェーデンで始まった、認知症の高齢者向けのグループホームです。ポイントは、大規模収容型から小規模少人数にしたところと、山奥や人里離れた場所にあったものが、町の中に移行していったところです。日本では、1991年に函館で導入されたのが最初だと言われています。その前の宅老所などを含めると、もう少し前からあったのではないかとも思います。

 

 

 

グループホームとはいったい何か?

グループホームは何かというと、共同生活の住居で相談や日常生活の援助を行うサービスです。また、食事・入浴・排泄などの介護を受けながら生活する場でもあります。

 

 

障害者グループホームの3類型

元々、グループホームというのは、「ケアホーム」と「グループホーム」という2つの形態があったものが、1つになって、「障害者グループホーム(共同生活援助)」というサービスになりました。

昔はケアホームやグループホームは、軽度向け・重度向けのような感じで、障害の重さにより分かれていました。それが1つになって、共同生活援助サービスになりました。

 

その1つになったものが、さらに、介護サービス包括型・外部サービス型・日中支援型の3つの類型に分かれました。

 

日中支援型は、平成30年4月に新設されたサービスです。僕らが現在、主に推進しているのは、介護サービス包括型の障害者向けグループホームです。今後は、日中支援型も、徐々に取り入れていくつもりでいます。

 

 

障害者の高齢化と日中支援型グループホームサービスの新設

日中支援型のサービスがなぜできたかというと、障害のある人たちが、高齢になってきたことが要因です。高齢化すると、就労支援・生活介護・一般企業への就労といった日中活動ができなくなり、昼間もグループホームにいる状態になります。

 

昼間もいるのに今までと同じ報酬だと、世話人さんも必要ですし、経営が成り立たなくなります。そこで、日中支援型サービスが新設をされました。

 

今までは若い人たちを対象にグループホームを設計していたけれど、今後は、お年寄りになってもグループホームで支援して欲しいというのが、国の意図です。

 

今後、日中支援型グループホームに、取り組んでいかれる事業所さんが増えるでしょうし、僕たちも取り組んでいきます。

 

 

障害者グループホームの対象となる人

グループホームの対象は、原則は、18歳~64歳までの方と定められています。ですが、特殊な状況にある、15歳~17歳の方々も対象になります。特殊な状況というのは、ネグレクトされている、暴言・暴力による虐待事案が大半です。そういう状況にある15歳~17歳の障害者の方たちも、市町村が認めれば、グループホームを利用することができます。

 

また、原則的には、64歳までですが、64歳までに障害福祉サービスを利用していた方は、65歳以上になっても、引き続き利用できます。

 

ですので、幅広く考えると、15歳から亡くなるまでの方が対象となります。

 

 

 

グループホームの経営主体と国の意図

この図は、平成29年度のグループホームの経営主体(法人の種類)の内訳を表したグラフです。突出しているのは、社会福祉法人による運営です。その次はNPO法人、3番目が営利法人(株式会社)という内訳になっています。

 

社会福祉法人が圧倒的に多い理由は、平成元年(1989年)から、ずっとグループホームを運営してきた主体は、対象者を知的障害者に限定している社会福祉法人がほとんどだったからです。

 

ですので、精神障害の人がグループホームへの入居に関し、相談支援員に相談すると、なかなか見つからないのが現状です。空いているのが分かっているのに、いっぱいですと言われてしまったりします。

 

本来は、障害の種類によって、入居者を限定してはいけないんですよ。ですが、精神障害の人は無理だと断ってしまうところも結構あります。

 

ただ、例えば、身体障害の人が生活するには、その建物が物理的に無理だという場合もあります。そういった場合は、障害の種類によって断るのは、基本的にはNGですが、断られることがあります。

 

これは、介護保険制度ができたときと同じような状況で、介護保険制度ができたときも、80%ぐらいが社会福祉法人で、10%ぐらいが営利法人という内訳でした。

 

 

変化していく経営主体と今後の予測

高齢者施設の経営主体の比率が、今はどうなっているかというと、逆転しています。80%が営利法人、20%が社会福祉法人という状況になっています。おそらく、障害者グループホームも、事業所の整備が進んでいくと、同じように逆転していくでしょう。

 

このように障害者グループホームの形は時代とともに変化し続けています。収益を出すための事業ですが、障害者や被虐待児に対し、安心して暮らせる住まいを確保するハウジングファーストの理念を叶えていくことが、僕が事業を展開する上での原動力になっています。ぜひ、一緒にその理念を叶えていきましょう!

 

 

文:田口ゆう