【福祉書評6】これがわかればあなたも達人!『syunさん語録〜障害とは・支援とは』

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本日は、「これがわかればあなたも達人!『syunさん語録〜障害とは・支援とは』」株式会社おめめどう(https://omemedo.ocnk.net/)著者 大西俊介@syun 奥平綾子@ハルヤンネ をご紹介する

 

株式会社おめめどう(https://omemedo.ocnk.net/)は弊社子会社のあいである広場でも取材させていただいた(https://ai-deal.jp/author/okudaira-ayako/)重度から軽度まで、子供から大人まで対応する自閉症・発達障害支援グッズの開発・販売会社だ。

 

著者の奥平綾子さんは、1963年兵庫県丹波篠山市生まれ。丹波篠山市在住。「自閉症・発達障害の方の居心地の良い暮らしのために」をモットーに、視覚的支援の重要さを各地で講演し、各種SNSで発信している。

 

オブザーバーの大西俊介@syunさんは、1982年に佛教大学社会福祉学科を卒業後、知的障害者通所更生施設勤務を経て、㈱おめめどうのオブザーバーとなっている。生活保護のケースワーカーも経験し、相談支援専門員でもあった。自閉症専門のコミュニケーションAIDの開発販売のプロデュースもしたという経歴の持ち主。

 

 

この冊子はそのオブザーバーである、大西俊介@syunさんの語録をまとめ、奥平さんが注釈を入れるというスタイルになっている。

 

関東では自閉症・発達障害支援となると、グッズよりも療育という考えが強く、関東での知名度はやや低めだ。この機会にぜひ、おめめどうのwebショップ(https://omemedo.ocnk.net/)を覗いてみてほしい。

 

さて、内容だが、支援者にとって耳が痛い話ばかりなのだ。

 

‘’「障害は頑張ることやないから」

高機能のお子さんやったら

本人が聞きたがるときがきます

そのときに「そやで」

言うてはったらよろしい

ただ、絶対に言うたらあかんことがあるんです

それが

「頑張ろうね」

です

障害は、頑張ることやないんです‘’

引用:冊子 81頁

 

支援するにあたり、私たちは無意識のうちに「頑張って」「頑張ろうね」と声をかけてはいないか。

だけど、つい使ってしまう言葉ではないか。

 

‘’障害があるだけで

この多数派に合わせて作られた社会の中で

よう頑張ってはると思います

もっとなにを頑張れというのでしょう ね‘’

という奥平さんの注釈がついているが

 

私たち、支援者や親は業務や子育ての中で、このことを忘れがちだ。

 

‘’「関係がとれるコミュニケーション」

「しんどいことを聞いてもろたら楽」いうけど、しんどいなんて、絶対言わへんねん

ものすご関係ができてないと

その関係ができえないんやと思う

 

普段からもっと関係がとれるようなコミュニケーションをせなあかんと思う

「手伝って」に応えるとか

「手伝って」は、しんどいの裏返しやからな

クレーンに応えるあたりから始まって、助けてくれるんやったら、言うてくれると思う

表現は違うかもしれないけど‘’

引用:冊子 53頁

 

なぜ言ってくれないのか。

 

それは自分との関係性ができていないから。

 

支援者である自分たちが関係性を築けていないのに、本音など伝えてくれないのは、健常者でも同じことだ。

 

こういった障害福祉(特に発達障害・自閉症支援)に携わる者であれば、知っていて当たり前なはずだけど、つい忘れがちとなることが、ぎっしり詰まった104頁100の語録。

 

おめめどうの支援のベースにある考え方や、支援グッズがどういう役割をするものなのかが、これを読めば分かる作りとなっている。

 

私自身、おめめどうのグッズのいくつかは購入しており、実際に放課後等デイの体験イベントなどで、使用して必要性を実感している。

 

弊社のグループホームにおいても、グッズを活用し、入居者の皆さんの暮らしが楽になる方法を模索していきたい。