【福祉書評7】旦那が突然死にました~亡くして気づく。大切な人との当たり前の日常は奇跡だ~

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今回は、「旦那が突然死にました」せせらぎ  (著)   エムディエヌコーポレーション Kindle版

 

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をご紹介する。

 

本書は、夫の突然すぎる死とその後の日々を綴った著者 せせらぎさんの話題のブログ(http://www.kimitoissyoni.com/)を書籍化したものだ。

 

せせらぎさんのプロフォールは以下。

‘’33歳、結婚4年目で最愛の旦那と突然死に別れる。残された子は当時、3歳と1歳の男の子。ほぼ無職の状態で思いがけずのシングルマザーに。気持ちの吐露として始めたブログ「きみといっしょに」は、その飾らなすぎる正直な人柄が支持を集め、人気ブログになる。幽霊の旦那を心に抱え、思い通りにいかない人生と育児に一人向き合い生きている。‘’

引用:https://www.amazon.co.jp/

 

 

せせらぎさんの夫、まーくんは10年以上の婚姻生活で、初めての長い喧嘩の最中に、突然死する。

 

結婚10年目で初めて夫から暴言を吐かれたせせらぎさんは、お仕置きをかねて実家に里帰りした。その最中に夫は自宅で1人きりで亡くなった。

 

‘’「障害が残ってもいい

何でもする

だから

神様

お願い

連れて行かないで」‘’

 

この言葉にせせらぎさん夫妻の仲の良さが伝わってくる。ただの死別でも後悔は残るだろう。

 

だけど、喧嘩したままで大切な人が亡くなったら、そのつらさは想像するだけで耐えがたいだろうと思う。

 

受け入れられないパートナーの死。

 

しかし、現実は容赦なく、何十とある死後の手続きに追われる。

 

 

子どもと3人での生活が始まる。

 

悲しみに浸っていられればまだいいが、せせらぎさんの元には当時、3歳と1歳と、手がかかる盛りの男の子が残されていた。

 

しかし、心配した実家が子どもを預かってくれ、一人の時間になっても押し寄せる夫への思い。

 

 

 

 

 

しかし、夫の死後1年間、涙に暮れたせせらぎさんは、子どものためではなく、自分自身のために仕事に復帰することを決めた。せせらぎさんと夫は、せせらぎさんが新卒で入社した会社の師弟関係でもあったため、入社10年経っていたが元の会社に再入社する。

 

そこから、彼女の新しい人生が始まる。

 

せせらぎさんと夫の主な仕事は、映画の宣伝物のデザインだ。

 

夫が一緒に仕事をしていた映画監督から

 

‘’彼の愛情やセンスを信じているから

彼がいた場所で

彼の思いを継いでいる人にお願いできないか‘’

 

との依頼があり、プレッシャーを感じつつもそれを受けることしたせせらぎさん。

 

育児と仕事のプレッシャーに追われながらも、アートディレクターだった夫のクライアントからの仕事を受け、完成させる。夫の死後、3年が経っていた。

 

夫が死ぬまでは、夫の人生に乗っかっていた。

 

しかし、拠り所を失った彼女は、自分の人生と向き合うこととなる。

 

‘’死別した時の痛み

『死』を考えるほどの苦しみ

普通に生きることの苦痛

経験しなくてもいいのならしたくない

けど

それでも私は同じ結果が待っていたとしても

まーくんと出会い家族になる人生を選びます

幸せだったから‘’

 

人生は後戻りできない。

 

そして、亡くなった大切な人はもう帰らない。

 

だけど、その幸せだった時間は彼女にとって宝物だった。

 

その「宝物」を抱えながら彼女は未来へと歩んでいく。

 

私は涙なしには読めなかった。

 

そして、大切な人たちと生きる「今」の一瞬一瞬をより大切にしようと思った。

 

大切な人との当たり前の日常に感謝しながら。