介護・福祉施設の5分類②|それぞれの福祉施設に向いている人材はどんな人か。人材採用で決まる施設の質

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介護・福祉施設の5分類②|それぞれの福祉施設に向いている人材はどんな人か。人材採用で決まる施設の質

 

1,       入居型: 介護や福祉の専門知識があり、チームで仕事ができる人(内向的)

2,       通所型: エンターテイナー型で、チームで仕事ができる人(外交的)

3,       訪問型: 1対1のコミュニケーション能力が高い人(内向的)

4,       多機能型: オールラウンダーで、チームで仕事をできる人(中間)

5,       共生型: 介護・福祉の専門知識があるオールラウンダーな人(外交的)

 

入居型施設の場合、介護の世界であれば、要介護度が高い重度の人が入居しています。障害者向けグループホームは例外なのでのぞきますが、入居型施設では大人数の介護が同時に必要です。当然、一人ではできないので、チームで介護にあたります。それなので、チームで仕事ができるかどうかがカギとなります。

 

障害者向けグループホームの場合だと、対象とする人が軽度なのか重度なのか、どういった障害を持っているかにより、必要となる人材のタイプが異なります。軽度の人が対象の場合、専門知識がなくとも、愛想がよく面倒見がよい人が向いています。ですが、重度の方を対象とした施設の場合は、専門知識を持っていて、チームで仕事ができる人材を集める必要があります。高齢者施設を例に出すと、利用者さんの要介護度が上がると、その人に関わる専門家が増えていきます。在宅医療で訪問してくるお医者さん、訪問看護でくる看護師さん、そして現場で働く介護スタッフなどです。それぞれの立場の人が、医師の指示に基づいて、連携して情報共有しながら仕事をすることになります。介護職間での情報共有も必要となります。ですので、入居型施設の場合には、チームプレイが向いている人を集めることが大切です。

 

通所型施設では、エンターテイナータイプが活躍します。高齢者施設を例に出すと、多ければ100名以上が通ってきます。その際に、100対1でじゃんけん大会などをし、利用者さんを楽しませなければなりません。さらに入居型施設同様、チームでの仕事が得意な人が向いているでしょう。

 

上記、2つの施設型と訪問型施設で能力を発揮する人材の大きな差は、1対1の人間関係となるところです。入居型・通所型ともに、大人数の利用者さんに対し、チームで向き合います。ですが、訪問型では、1人の利用者さんの家に1人のスタッフが出向いて、支援にあたります。それなので、どちらかといえば、内向的な人のほうが向いています。

 

多機能型の施設の場合は、同じ敷地内にデイサービス・宿泊への対応・その利用者さんが家にいれば訪問ヘルパーとして臨機応変に対応できなければなりません。専門知識もあり、チーム仕事もでき、ときにはエンターテイナーの役割もこなし、1対1のコミュニケーションの能力も高い、オールラウンダーが求められます。そのような人材はほぼいないのでは?と思うと思います。ですが、本来は、理想的なのはそういう人材です。

 

最後に、共生型施設の場合、求められる人材のハードルはさらに上がります。介護・福祉・児童のケアなど幅広い専門知識が必要になります。そして、障害者・高齢者・児童に対して提供するサービスは異なります。それぞれの環境に適応できる臨機応変さが求められます。

障害者向けサービスは、身体・知的・精神障害があります。なので、高齢者介護にも、障害者介護にも対応できる必要があります。

 

多機能型の施設と共生型施設で活躍できる人材は、他の3つの型の施設でも実力を発揮できる人です。

 

このようにどの施設にはこういった人材が合うという「型」を把握していると、面接の際にする質問も違ってきますし、人材の採用のときに役立ちます。どの型にも共通していますが、入居型施設で活躍していた人が、通所型施設に移動したところ、実力を発揮できないことはよくあります。それぞれの施設で求められる資質が違うので、求められる資質にマッチしたキャラクターの人材を採用しましょう!

 

採用のポイント

人の採用にあたって、事業者側がまずやらなくてはいけないのは、自社の理念やビジョン、今後どんな事業を展開していくかという事業計画書を作りこんでおくことです。これらを明確にさせておくと、面接のときや人材教育の際に、経営者や管理責任者がきちんと説明できるようになります。もう1つやらなくてはいけないのは、作りこんでおく段階で、どういった人物を採用したいのかを言語化しておくことです。

なぜかというと、採用したいターゲットを地域・男女・年齢・資格・経験などでセグメントができるからです。どこのエリアに住んでいるのか、男性なのか女性なのか、何歳くらいの人で、どんな資格を持っているか、どんな経験を積んでいる人材を採用したいのかをしっかり決めておくことが大切です。そこが明確でないと、人材紹介会社や派遣会社、転職サイトなどに騙されてしまいます。なので、どんな人材が欲しいのか明確にしておきましょう。

 

無料の求人媒体を活用する!

ハローワーク(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/)・indeed(https://jp.indeed.com/)・福祉人材センター(https://www.tcsw.tvac.or.jp/jinzai/)など、無料で求人情報を登録できる場所には、必ず登録しましょう。どのサイトも情報を更新すると、新着情報としてwebの目立つ場所に掲載されます。それなので、1か月に1度は、求人情報の内容を変更することが大切です。そして、人材紹介会社や派遣会社、転職サイトなどに求人を丸投げしないようにしましょう。それらの業者は、求職者をすぐに紹介してくれますが、コストがかかります。コストをかけたからといって、それがいい人材とも限りません。特に転職サイトなどの場合、そのwebサイトが、自社が求めている福祉人材にきちんと訴求しているとは限りません。例えば、世話人さんや夜間職員さんを集めるのであれば、タウンワーク(https://townwork.net/)でもいいかもしれません。ですが、有資格者を集めるのに、タウンワークに求人広告を出しても集まらない可能性が高いです。どんな人材を求めるかにより、どの既存媒体を活用するかを明確にしましょう。

 

「藤田英明ライブ福祉スクール(https://anispi-seminar.peatix.com/)」より抜粋

文 田口ゆう