福祉事業は行政からの給付で運営される、安定した事業です。
そんな安定を求め、福祉事業を始めようとフランチャイズを検討されている方も多いのではないでしょうか。
最近、フランチャイズビジネスメディアの方にお話をうかがったところによると、今、フランチャイズをやりたい人が増えているそうです。なかでも、福祉事業が特に人気なのだとか。
実際にフランチャイズに関心があり、独立予定・独立に関心があると回答した方を対象としたアンケートを実施したところ、「独立開業を検討しておりフランチャイズ加盟も検討している」人のうち、明確に目的を定めていない人の割合が1/4にも達するとのこと。そういった方々がいろいろな事業を検討していくなかで、最終的に福祉事業に注目する傾向にあるのだそうです。
今回は、なぜ福祉系フランチャイズが人気なのか? 他のフランチャイズとの違いやメリット・デメリットは何なのかを一つひとつ検証してみたいと思います。また、なぜフランチャイズのほうが良いのか?についても解説します。
そもそもフランチャイズとは?
「フランチャイズ」とは、本部(フランチャイザー)から商品やサービス、経営者になるためのノウハウなどの提供を受け、加盟店(フランチャイジー)として事業を運営するビジネスシステムです。
本部と加盟店が契約を結び、加盟店が本部に対して加盟金やロイヤリティを支払うことで、商標の使用権や商品・サービスの販売権、経営サポート等を得られる仕組みとなっています。独立開業をしたいけれど専門知識やノウハウがない、そんな人におすすめなのが「フランチャイズ」への加盟という選択肢です。
商品開発や仕入れルートの確保、マニュアル作成、人材育成、宣伝などを行い、ブランド価値の維持やサービスの向上に努めるのが本部(フランチャイザー)の役割。
一方、加盟店(フランチャイジー)は、本部から得たブランドの使用権や経営ノウハウなどを活用して店舗を運営します。店舗の売上アップを目指すとともに、プランドイメージの維持・向上に貢献するのも加盟店の役割です。
ちなみに、加盟店も独立した事業者になるため、開業届の提出が必要。従業員を雇う際の雇用手続きや税金の支払いなども加盟店オーナーの仕事になります。
- 高齢者介護のフランチャイズ:デイサービス、訪問看護、訪問介護など
- 障害福祉のフランチャイズ:障害者グループホーム、生活介護、精神科訪問看護ステーションなど
福祉事業とは?
福祉事業とは、社会的に支援を必要とする人々の生活を支え、その人々の尊厳と自立を尊重しながら、福祉的なサービスを提供する事業のことを指します。対象は高齢者、障害者、児童、生活困窮者などであり、介護やリハビリ、生活の支援、就労支援など、さまざまなサービスを提供します。
福祉事業の大きな特徴としては、その収入の大部分が公的な給付によるものであるという点です。介護報酬、障害福祉サービス等報酬など、国や自治体からの支払いが収入の中心であるため、非常に公益性が高く安定的であることが特徴です。
福祉事業の主な種類としては、下記のようなサービスがあります。
- 高齢者福祉事業:高齢者を支援するサービス提供(特別養護老人ホーム等)
- 児童福祉事業:子どもの生活を支援するサービス提供(乳児院、児童養護施設等)
- 障害福祉事業:障害者のサポートをするサービス提供(共同生活援助、生活介護等)
- 生活保護事業:生活をサポートするサービス提供(宿舎提供施設、救護支援等)
事業をはじめるのに福祉フランチャイズがおすすめな理由
今、新たに事業をはじめるにあたって「福祉フランチャイズがおすすめ」と言われるのは、以下のような理由が挙げられます。
少子高齢化はこれからも進行していく
すでに日本の高齢化率は29%を超えており、「超高齢社会」へと突入しています。そのうえ、まだまだ少子高齢化は進行していくとみられています。ピークは2043年といわれており、福祉サービスへのニーズはこれからも増え続けていくことが確実視されています。
障害者の総数は増え続けている
実は2000年代に入り、日本の障害者・障害児の数は急激に増え続けています。その割合は今や約8%といわれており、12人に1人は何らかの障害を抱えているという状態です。
特に発達障害を抱える人が増加傾向にあり、彼らへの支援は近年の障害者福祉における大きなテーマです。
安定した収益が見込める、インフラ&ストックビジネス
通常の事業は、流行や景気の波に影響を受けることが多く、時代や時期によって業績が大きく変動します。福祉事業は社会インフラであり、収益の変動が少ないことから、安定的な売上を上げることができ、将来の予測も立てやすくなります。
国や自治体からの報酬による安定収入が見込めるため、事業リスクが低い
企業や個人を相手とするビジネスでは、誠実に取引をしていても取引先の倒産・破産や支払い遅延などといったリスクがあります。福祉事業はその収益の大部分が国の給付費ですので、未回収リスクはほぼありません。
社会貢献、地域貢献につながる
福祉事業は公益性の高い事業であり、社会貢献度の高いやりがいのあるビジネスです。また、地域密着型でのサービス展開となるため、地域貢献にもつながります。事業ポートフォリオの中でこのような事業を持っていることは、企業の信頼性向上にも寄与します。
補助金・助成金や好条件での融資が受けやすい
福祉事業の開業では、国や自治体の助成金や補助金など、さまざまな優遇措置を受けられることが多いです。さらに開業にあたっては、独立行政法人福祉医療機構の「福祉医療貸付制度」など、長期・固定・低利の好条件で受けられる融資などもあります。
初期投資の少ない業態も多い
ひとくちに福祉事業といってもさまざまですが、多くは人的リソースを使ったビジネスであるため、小売店や飲食店などと比べてそれほど初期投資のかからない業態も多いです。もちろん大規模な老人ホームや入所施設は除きますが、そうでなければマンションの一室などで開業できるような業態もあります。
フランチャイズならビジネスノウハウが提供されるので参入しやすい
福祉事業は「制度ビジネス」といわれており、公的な制度のルールのもとで運営しなければなりません。安定的である反面、ルールを守れない事業者には報酬返還命令や事業取り消しなどの厳しいペナルティがあります。フランチャイズであれば、そういった制度についてもノウハウやサポートが得られるため、失敗のリスクを減らすことができます。
フランチャイズは既存のブランド力を利用できるため、採用・集客がしやすくなる
福祉事業の新規開業を軌道に乗せるためにもっとも苦労するのが、スタッフ採用と集客です。どちらも営業活動や広告に費用と労力がかかるうえ、新規参入の場合はブランド力がないため苦戦しがちです。フランチャイズであれば、既存ブランドの看板を利用できるため、採用や集客に手こずるといったリスクを減らすことができます。
フランチャイズ加盟店同士のネットワークを活用でき、ノウハウ共有ができる
自社のみでの運営と異なり、フランチャイズではサポート役である本部のほか、志を同じくする加盟店同士の交流も生まれます。同業でありながら競合関係になく、遠慮なくノウハウを分け合える仲間企業の存在は、事業を運営していくうえで非常に頼れるものであり、困ったときの判断材料にもなります。
福祉フランチャイズについて学んでみよう
福祉フランチャイズは福祉事業の安定的なメリットと、フランチャイズのノウハウ提供メリットとがうまく合致した、失敗しにくいビジネスモデルであることがおわかりいただけたでしょうか。これこそが、フランチャイズのなかでも福祉事業が人気な理由なのでしょうね。
ただし、もちろんリスクがまったくないわけではないので、福祉事業の制度や仕組みについて、フランチャイズの加盟条件などについてもしっかりと確認し、理解をしておく必要があります。
アニスピHDの説明会では、提供サービスの説明から制度や仕組み、収益構造などについても詳しく説明しています。ダウンロード資料でもかなりのボリュームで解説していますので、加盟をご検討の方はもちろん、福祉フランチャイズについて知りたいという方もお気軽にご覧ください。