障害者総合支援法とノーマライゼーション|障害があっても普通に暮らせる世の中へ|障害者とは

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「障害者総合支援法」とノーマライゼーション|障害があっても普通に暮らせる世の中へ

 

「障害者総合支援法」以外の障害福祉系の法律やその歴史

(図:障害福祉施策の動向について – 厚生労働省 4頁

https://xn--mhlw-4c4c7262a2u5a.go.jp/content/12200000/000551396.pdf

共同生活援助(障害者グループホーム)や生活介護(障害者デイサービス)、放課後等デイサービスなども含め、障害福祉サービスというのは、「障害者総合支援法」に基づいて指定を取ります。

 

ただ、障害福祉関連の法律は、それだけではありません。

 

ベースには「障害者基本法」という法律があります。「障害者基本法」の下に「身体障害者福祉法」や「知的障害者福祉法」「精神保健福祉法」などの各法律が、ぶら下がっています。

 

「障害者総合支援法」は、身体・知的・精神障害(発達障害含む)・難病の全てが対象になっています。

 

図のオレンジ色のところを見ると、「障害者総合支援法」は、全ての法律を包括しています。

 

ですが、平成15年までさかのぼると、「支援費制度」が施行されており、この法律が、現行の「障害者総合支援法」のもとになっている法律でした。

 

障害福祉施策に関する始まりとなった法律です。その当時は、身体・知的障害のみが対象で、精神障害はまだ対象になっていませんでした。

 

 

「ノーマライゼーション」とは何か?「ノーマライゼーション」という高い理想をかなえるには?

 

「身体障害福祉法」「知的障害者福祉法」「精神保健福祉法」を縦軸として、施行されたのが「障害者総合支援法」です。その上位の法律として「障害者基本法」があります。これらの法律を、全て行使して、一番上に書いてある「ノーマライゼーション」という思想を浸透させていこうというのが、この一連の法律が制定された目的です。

 

「ノーマライゼーション」とは、例え、障害があったとしても、一般の人と同じように生活ができるように、必要に応じた支援をしていくことにより差別をなくす考え方です。全ての障害福祉系の施策の根底には「ノーマライゼーション」の理念があります。

 

理念は非常に高いのですが、現実には、理念とのギャップはまだまだ大きいです。それを埋めていく作業を、福祉事業者や障害当事者の団体が、一生懸命やっているというような状態です。

 

事業としての共同生活援助(障害者グループホーム)は、そのグループホームに利用者が入居し、その方たちに支援をしていくと、訓練給付費が出て、利益が出るという仕組みです。ですが、もう少し、俯瞰すると、グループホームがいっぱいできることにより、障害のある人たちが地域の中に住み始めます。身近に障害のある人たちがいるという状態になり、国民の差別意識がだんだんなくなっていきます。そうすると、一番上に書いてある「ノーマライゼーション」という考え方が、世の中に浸透していくという風に考えられます。そして、差別意識がなくなると、みんなが普通に生活しやすくなるというところに繋がっていきます。

 

収益を出すという部分も、当然、経営なので大切です。ですが、同時に、こういったことも実現しているんだということを意識していただきたいです。スタッフにも、その考えを伝えると、うちの社長は意外に考えているんだと思ってもらえます。

 

僕もこの間、直営事業所のサービス管理責任者や管理者の人に、そんな話をしました。「会長って、意外と考えているんですね」と言われました。「昔から考えていたよ」とは、言ったのですが、「見た目からは、そんなに考えているように見えなかった」と社員に言われました(笑)

 

 

「障害者総合支援法」の理解が良い支援につながる

 

「障害者総合支援法」だけではなく、「障害者基本法」や「身体障害者福祉法」など、様々な法律があります。ですが、グループホームや障害福祉事業をやっていく場合、基本的には「障害者総合支援法」に基づいてやります。行政による実地指導で、グループホームや障害福祉サービス・介護サービスがしっかり提供されているかどうか判断されるのは、法律的には、3年に1回が目安です。実際には、その回数は異なりますが、実地指導も「障害者総合支援法」の第10条に基づいて行います。ですので、全ては「障害者総合支援法」に規定されています。

 

この中に規定されていることを守っていることで、事業者は、障害福祉サービスの給付が受けられます。逆に守っていないと、その給付を受ける権利はありません。さらに、今まで給付を受けていたら返還しろとか、今後、事業をやらせない(指定取り消し)など、処分を受けることになります。それなので「障害者総合支援法」を理解するということが、とても重要です。

 

 

全ての高齢者や障害者を自立させなければいけないという業界関係者の勘違い

 

「障害者総合支援法」の正式名称は、「障害者の日常生活および社会生活を総合的に支援するための法律」です。それを略して、「障害者総合支援法」と呼びます。

 

この図の中で、一番重要なのは、「障害の有無に関わらず全ての国が基本的人権を持つ個人として尊厳を尊重され共に生きる社会を実現する」という理念です。

 

僕らの業界で、勘違いしている人が多く、行政マンですら分かっていない人がいる部分があります。この法律を作っている功労者である行政の人ですら、間違っているという傾向があります。それは、高齢者でも、障害者でも、全て「自立させなければいけない」と思っているところです。「障害者総合支援法」は、自立させるための法律だと思っている方が多いのですが、それは間違いです。年表を見ると、「支援費制度」の後に、「障害者自立支援法」という法律が制定され、その後に、「障害者総合支援法」という名前に変わっていることが、その勘違いの原因の一つです。「障害者自立支援法」が、とにかく自立を前面に出していました。まるで、「働かざる者食うべからず」のような考え方でした。それが、障害当事者や家族の会から、「天下の悪法だ」という猛反発に遭い、「障害者総合支援法」という法律ができました。そのときの名残で、自立させなきゃいけないと思っている方が多いのです。

 

ですが、「障害者総合支援法」の趣旨は、個人として尊厳を尊重されるようにしてくださいということです。ですので、100人いれば100様なのです。働きたくないと言っている人に、働きなさいと言ったら、ここで「障害者総合支援法」の趣旨に反することになります。働きたくないとなっている人には、なぜ働きたくないのか、どうしたらこの人が働きたくなるのかというところまで、しっかり考えないとそれは支援ではありません。

 

就労していない人は、うちのグループホームでは受け入れられませんというのはおかしな話です。グループホームに入ってから、一緒に、就労先を探せばいいですよね。

 

そういった考え方を業界関係者全員が、改めていかなければなりません。

 

 

障害者とは

 

「障害者」とは、身体障害者・知的障害者・精神障害者(ADHD・ASD・LDなどの発達障害を含む)・難病のことです。精神障害者の中には、発達障害者も含まれます。あとは、厚労大臣が定める難病を持っている人たちです。例えば、人工透析をやっている方やペースメーカーが入っている方も身体障害者になります。

 

 

「障害者総合支援法における給付・事業」一覧

(図:障害福祉施策の動向について – 厚生労働省 19頁

https://xn--mhlw-4c4c7262a2u5a.go.jp/content/12200000/000551396.pdf

 

「障害者総合支援法における給付・事業」を分かりやすくまとめた図になっています。大枠は市町村で囲われていて、その中に「介護給付」「訓練給付」「相談支援」「自立支援医療」「補装具」「地域生活支援事業」と書いてあります。その下に、都道府県があります。

 

皆さんが、政令指定都市や中核都市ではないところで、事業の指定を取りに行くときには、基本的には都道府県が窓口(政令指定都市及び中核市はその市)です。サービス自体は市町村で行いますが、指定を出すのは都道府県です。

 

「介護給付」と「訓練給付」に左側が分かれています。グループホーム事業は、「訓練等給付」に属しています。

 

給付費の負担は、国が2分の1・都道府県と市町村が2分の1です。原則、障害福祉の予算は、国が2分の1を負担します。医療は国の負担が23%、自治体の負担が13%です。障害福祉の方が、自治体の負担割合が上がるので、自治体が認可を嫌がるという現象が起きています。

 

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文 田口ゆう