児童指導員になる!仕事内容や職場、年収、任用資格の取得方法、求人例

福祉の仕事をしたい方コラム

子どもに寄り添い、心身の健やかな成長をサポートする児童指導員。放課後等デイサービスをはじめ勤務場所は数多くありますが、実際の仕事内容や職場などについてあまり詳しくない方もいるでしょう。

そこでこの記事では、児童指導員の仕事内容や主な職場、児童指導員任用資格の取得方法についてわかりやすく解説します。 

 

児童指導員とは

児童指導員とは児童福祉施設などで障害のある子どもの行動や生活を見守り、心身の健やかな成長と自立をサポートする専門職です。

主な職場は放課後等デイサービスや児童発達支援などで、仕事内容は日常の生活指導から保護者の相談対応、学校や児童相談所との連携まで多岐にわたります。

心を開いて話をしてくれるようになった、 昨日までできなかったことができるようになったなど、児童指導員は子どもの成長を身近で感じることのできる、やりがいに満ちた職種です。

ここでは児童指導員の主な職場や仕事内容、収入について解説します。

 

児童指導員の主な職場

児童指導員の主な勤務場所である事業所の特徴をそれぞれご紹介します。

放課後等デイサービス

放課後等デイサービスとは、6~18歳までの障害のある子どもや発達に特性のある児童が放課後や夏休みなどの長期休暇に利用できる福祉サービスを指します。利用児童数は約14万人、事業所数は約9,000近くあり、児童福祉施設のなかで利用児童数が最も多いのも特徴です。

参考:児童発達支援の現状等について(3P参照)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000144238.pdf

放課後等デイサービスでは厚生労働省「放課後等デイサービスガイドライン」に基づき、以下4つの支援を行います。

  • 提供するサービス内容
  1. 自立支援および日常生活の充実のための活動
  2. 地域交流の機会の提供
  3. 創作活動
  4. 余暇の提供

放課後等デイサービスでは、これらの活動のなかで、児童指導員として障害をもつ子どもたちの生活能力を高めたり、社会との交流を促したりといった個々の自立を支援する活動に携わることになります。

 

児童発達支援

児童発達支援とは、身体障害や精神障害、知的障害を含む発達障害といった障害を抱える小学校就学前までの児童が支援を受ける施設です。

主な仕事内容は、日常生活における動作のトレーニングや、コミュニケーションの円滑化、運動機能の向上などを目指したプログラムの実施です。うがいや手洗い、着替えといった日常生活に必要な動作を実際にやって身につけること、遊びを通してコミュニケーションの取り方を習得することなどを目的とします。 

 

障害児入所施設

障害児入所施設とは、身体障害、知的障害または精神障害のある児童を対象に、日常生活の指導をし、自活に必要な知識や技能についても身につけさせるための施設です。

障害児入所施設は福祉型障害児入所施設医療型障害児入所施設に分かれ、提供するサービス内容も若干異なります。

福祉型障害児入所施設のサービス内容

  • 日常生活における相談支援、助言
  • 食事、排せつ、入浴などの介護
  • 日常生活能力、身体能力の維持・向上のための訓練
  • レクリエーション活動など社会参加活動への支援
  • コミュニケーションサポート

 

医療型障害児入所施設のサービス内容

  • 疾病の治療
  • 看護
  • 日常生活における相談支援・助言
  • 医学的サポートを要する食事、排せつ、入浴などの介護
  • レクリエーション活動など社会参加活動への支援
  • 日常生活能力、身体能力の維持・向上のための訓練
  • コミュニケーションサポート

医療型障害児入所施設では治療も行います。

 

乳児院・児童養護施設

乳児院・児童養護施設とは、育てる保護者がいない、もしくは何らかの事情によって生まれた家庭で保護者と生活することが困難だと判断された児童が入所する施設です。

子どもを保護し、安全な環境で養育することを目的としており、基本的に乳児院は0~1歳まで、児童養護施設は2~18歳までが対象です。

乳児院では24時間体制で健やかな成長を支援し、場合によっては里親家庭のケアにあたることもあります。

乳児院や児童養護施設には虐待を受けた子どもや障害児も入所するので、特別なケアを要する場合もあります。

 

児童指導員の仕事内容

子どもたちの心の支えとなる児童指導員の基本的な仕事は5つです。

親代わりになって指導を行う場合もあるので、自身が子どもの手本となるように振る舞うこと、何より子どもの気持ちに寄り添う姿勢が求められます。 

 

生活指導・訓練

児童指導員の仕事のひとつは子どもたちの生活のサポートです。 

入所施設の場合は特に、食事や排泄、着替えなど、日常生活全般について指導します。また、子どもたちと遊んだり、勉強をみたりする中で、円滑な社会生活が送れるようにアドバイスをするのも重要な仕事です。

 

障害児に対する療育

障害のある子どもに対して社会の一員として自立できるように指導するのも児童指導員の大切な業務です。情緒の安定や運動機能の向上、集団への参加意欲を促すなど多角的な面から成長をサポートします。 

 

生活指導計画の作成

健やかな成長をサポートすべく、子どもたち一人ひとりに合った生活指導計画を作成することも重要業務のひとつです。

 

子どもや保護者の相談対応

成長に伴い子どもたちが抱える生活や進路などの相談保護者が抱える悩みなどに対し、解決を目指して向き合っていくことも大切な仕事です。相手の状況もさまざまなので、冷静に話を進められるコミュニケーション力が求められます。

 

学校や児童相談所との連携

子どもが通う学校や児童相談所と連携を図ることも児童指導員の仕事のひとつです。子どもの状況を詳しく共有することで、心身面でも学習面でもよりよい成長が望めるよう導きます。

 

児童指導員の年収は高い?

児童指導員の年収について公立施設勤務と民間施設勤務の、2つのケースをご紹介します。

公立施設勤務の場合は高め

公立施設勤務の場合、公務員給与規定に基づいて支給されるため、一般的な平均収入は450万円~550万円程度と民間より給与水準は高いです。

なお、公立施設で児童指導員として働く場合は、公務員試験に合格する必要があることも押さえておきましょう。

 

民間施設勤務の年収

民間施設勤務の児童指導員の平均年収は、施設によって違いはありますが300万円~450万円ほどとされています。
収入を増やしたいなら公務員試験に合格して公立施設での勤務を目指しましょう。

 

 

児童指導員になるには任用資格が必要

児童指導員として働くためには、児童指導員任用資格を取得する必要があります。児童指導員は資格名ではなく、取得するために資格試験があるわけでもありません。児童指導員として仕事をするための条件となる学歴や職歴を満たしていることを任用資格といいます。 

条件の詳細は次項にて説明します。

 

児童指導員任用資格の取得要件

児童指導員

児童指導員任用資格の取得ルートは主に5つです。

 

ルート①大学・大学院

大学または大学院において、社会福祉学・心理学・教育学もしくは社会学を専攻して卒業すると児童指導員任用資格が得られます。

海外の大学でも上記に相当する課程を修め卒業すれば取得可能です。

 

ルート②養成施設

地方厚生局長などが指定する養成施設や厚生労働大臣の指定を受けた専門学校を卒業した人も児童指導員任用資格が取れます。

養成施設には国立武蔵野学院や国立障害者リハビリテーションセンター学院の児童指導員科(発達障害支援者養成) があります。

 

ルート③社会福祉士・精神保健福祉士

社会福祉士や精神保健福祉士の国家試験に合格すると、児童指導員任用資格も同時に取得できます。

 

ルート④教員免許

小学校、中学校、高等学校(または中等教育学校)の教員免許を保有している人も児童指導員任用資格の認定要件に該当します。

さらに、2019年4月より幼稚園教諭の免許を持つ人も対象になりました。ただし、保育士資格は対象外なので気をつけましょう。

 

ルート⑤実務経験

3年以上の児童福祉事業への従事経験があり、都道府県知事の認定を受けている場合、もしくは、2年以上の従事経験で、以下に該当する場合は児童指導員任用資格が得られます。

  • 高等学校または中等教育学校を卒業、大学入学が認められている
  • 12年の学校教育を修了している
  • 文部科学大臣が上記と同様の資格を有すると認定している

上記①から④のいずれにも該当しない場合は、実質的にルート⑤が児童指導員になるための入り口となります。

 

履歴書での児童指導員任用資格の書き方

履歴書に児童指導員任用資格を保持していることを書く場合は資格欄に記載します。

その際、要件を満たした時点を資格取得の年月とします。

児童指導員任用資格自体には証明書がないので、要件を満たすことを示す学歴・職歴は正確に記載するようにしましょう。

なお、児童指導員には子どもの悩みに向き合う覚悟があり、保護者にも寄り添えるような人柄が望ましいとされています。

そのため、履歴書の志望動機などはそれがわかるような内容を入れながら具体的に書きましょう。

また、なぜその施設を選んだのかを施設の特徴に沿って述べることもポイントになります。

さらに幼稚園や小学校など子どもに関する勤務経験がある場合、これまでの経験を児童指導員の業務に生かせることをアピールしましょう。 

 

任用資格の取得だけでは児童指導員を名乗れない

児童指導員は、任用資格を取得するだけでは名乗れません。児童指導員任用資格の取得条件を満たしていることに加え、放課後デイサービスなどの児童福祉施設に勤務することで、はじめて児童指導員を名乗れます。 

 

児童指導員求人例

それでは、実際にどのような求人があるのか見ていきましょう。
※掲載予定期間を過ぎている場合がありますのでご了承ください

 

宮城

仙台市にある児童発達支援・放課後等デイサービス「チルハピ長町南教室」では、ピアノやドラムを使った音楽療育を行っています。

児童指導員は支援だけではなく、送迎や付随業務も担当します。

  • 雇用形態:正社員
  • 給料:188,400円
  • 必要資格・免許:社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士必須、普通自動車運転免許(AT限定可)必須
    児童指導員・幼稚園教諭・社会福祉主事・教員免許など、いずれかの資格所持で可
  • 社会保険:雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金

詳細はこちら
https://www.hellowork.careers/detail_amp.php?seiri=04010-29432711&utm_campaign=google_jobs_apply&utm_source=google_jobs_apply&utm_medium=organic

 

東京

世田谷区にある児童養護施設の児童指導員の募集です。運営元の社会福祉法人 福音寮はさまざまな福祉施設を開設しています。

児童指導員は本園もしくはグループホームに入所している子どもたちの生活支援などを行います。

  • 雇用形態:正職員
  • 給料:215,300円 〜 275,300円
  • 必要資格・免許:社会福祉士・精神保健福祉士 ※無資格・未経験可
  • 社会保険:雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金
  • 住宅手当・扶養手当あり

詳細はこちら
https://job-medley.com/apl/378799/

 

大阪

豊中市と吹田市にある「放課後等デイサービス サンティパープ」の求人です。

車での児童送り迎え業務もあります。

  • 雇用形態:パート・正社員
  • 給料:【パート】時給1,300円~【正社員】月給230,000円~
  • 必要資格・免許:保育士免許または児童指導員経験
  • 社会保険:パート(正社員登用制度)、社保完備(正社員)

詳細はこちら
https://townwork.net/detail/clc_3588711003/

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障害者福祉に興味があるなら「わおん」へ

障害福祉サービスの種類は多岐にわたりますが、地域にある住宅で障がいのある方が共同生活を送る障がい者グループホームが全国各地で需要を高めています。

障がい者人口が増える一方、精神病院の病床数は減っている状況の中、その受け入れ先として、障がい者グループホームが求められているのです。

数ある障がい者グループホームの中でも、ペットと一緒に暮らせるという全国でも珍しい形態で注目を集めているのが「わおん」です。

ペットは保護犬・保護猫で、グループホームが増えるほど、殺処分から動物を救うことができます。

障がい者グループホームには配置必須の人員がおり、サービス管理責任者もそのひとつです。

通称サビ管と呼ばれ、資格を取るには実務経験を満たし、研修を受ける必要があります。

児童指導員任用資格を取得していると、5年以上の直接支援業務で実務経験の資格要件が満たされます。

サービス管理責任者の資格取得|サビ管になるための要件・研修、求人情報

 

児童指導員任用資格をお持ちで、障害福祉に興味がある方、動物好きの方は、転職の際に「わおん」を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

東京・神奈川・埼玉・茨城など関東圏だけではなく、北海道、東北、富山など北陸、三重など東海、大阪など近畿、愛媛、福岡など九州、沖縄と全国各地でスタッフ募集中

ぜひ、お住まいの地域で求人検索をしてみてください。

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